孤独のその先に紡ぐオト #夜を乗りこなす を聴きながら
サカナクションさんが #夜を乗りこなす ために、毎週土曜日にライブ映像を配信して届けてくださっている。ありがたい。
いつものように聴きながら、ドキッとしたコトバとオトがあった。
ずっと前の君の思い出は
どこか昔の自分を見るようで
この世界は僕のもの
どこからか話してる声がするよ
すぐに何かに負けて涙流す
君と僕は似てるな
愛の歌
歌ってもいいかなって思い始めてる
ドキュメント|山口一郎
特にドキッとしたのは「君と僕は似てるな」「歌ってもいいかなって思い始めてる」というフレーズ。
この曲についての想いなどを知りたくなって、検索した。
ドキュメント サカナクション
そしてたどりついたこちらの記事
自分なりにこのインタビュー記事を読みながら、深めていた。
2011年の震災と、コロナの災害は重なる部分もあるからこそ、しみるコトバ。
このインタビュー記事に掲載されているトップのお写真は、今のオンライン会議(zoomのMTG風景)のようで、記事アップの日付を見て目を疑ったくらいだ。「2011年09月28日」東日本大震災から6ヶ月ほど経った後のインタビューだ。
直接会わなくてもネットで繋がる感覚のある時代に、目には見えない音楽で繋がることとは何なのか。それも意識した上で僕らがやるべき事、音楽の必要性を考えました。結果、リスナーに寄り添える物を...
2011年からネットで繋がる感覚はあったけれど、今はネットでしか繋がれない体感になっている。
だからこそ、音楽で繋がれる。重なり合える時代の尊さ。そして「同じ時間を共にする」尊さを感じる。サカナクションさんが、無料公開する時間を限定し、LIVE配信しているのも、「リアルタイムで同じLIVE映像をみて、時を共にする」ことで、ネットで繋がれる感覚を、より安心感に変えようとしてくれているのかもしれない。
音楽は人を知り、好きになることで聴こえ方が変わる。僕はリスナーと普通の友達、人間として触れ合って、もっと濃く繋りたいと思うんです。
――確かに、つくり手の現実の姿を見ることでよりリスナーとより深く繋がり、相手への音楽の浸透力が増しますね。時代のリアルと自らのリアルを込めたからこそこのタイトル?
だからアルバム名を『DocumentaLy』にしたんです。今この時代に音楽をつくって生きていたという証という意味を込めています。
わたしも、人が好きだから、その人が紡ぐオトが好きになる。
そして、山口さんは、Instagram LIVE で実際にその場でLIVE配信を見ている人の職業(経歴)などをコメント欄で募集して、気になる職業の方とその場で対談をしていたりもする。
リスナーを尊重している
そのことを、言うだけではなく、実際の行動にうつしている。本当に心から「リスナーと普通の友達、人間として触れ合って、もっと濃く繋りたい」と願っているのかなと想った。
――自身をさらけ出すのは恐さもあるのでは?
リテラシーを駆使し、エンタテインメントとして成立する音楽もありますが、僕らのような人となりを見せる音楽も対極として必要なんです。
内面をさらけ出せるか。アーティストとしての仮面や鎧を被った「役割」を全うするのか、人としてさらけ出したその先がアーティストなのか。
本名で活動しているアーティストなのか、芸名で活動しているアーティストなのか。それによっても、この捉え方は異なる気がした。
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インタビュー記事を読んでみて、山口さんであり、サカナクションさんの音楽が、少し明るく寄り添った曲に変わった理由が、少しだけわかった気もした。
星野源さんも、ファーストアルバムはどこか物寂しげな印象だった。だけど最近紡ぐ曲では、前を向く強さを感じる。
アーティストさんになりたい!と想って曲づくりを行なっている人もいるかもしれないけれど、湧き出てくる想いをアウトプットする場所が、たまたま「音楽」だった人もいる。そんなことを教えてくれた方もいる。
クラス(教室)に居場所がなくても、手にした色鉛筆が自分の居場所になって、絵を描くアーティストさんになる方もいるように、手にしたギターが居場所になって、いつしか音楽を紡いでいて、誰かに届けてみたら、その曲を喜んでくれる人がいて、その人の数がどんどん増えていくことで、ミュージシャンとして生きていく覚悟になっていくのかもしれない。
――未来があるというのは前に開かれているということですよね。
山口 そうですね。最近、挑戦するベクトルが変わってきたんですよ。
曲作りの起点は、孤独の中の居場所だったのかもしれない。届ける人が明確になった時、届けたい人数がより明確になった時、「この人たちに聴いてもらいたい・この人たちに届けたいんだ」とベクトルが向くと、目線や距離が変わり、少し明るい音楽になるのかな、と想った。
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「好きな曲作ったらいいじゃん」って関口さんが言ってくれたから、この曲ができました。
今このnoteを描きながら、デビュー10周年記念イベント"2007.05.09 - 2017.05.09"のLIVEで、山口さんが涙声になりながら語っていたコトバ。
結果的にファンから一番愛された曲は、作者さんが生み出すか迷っていたコトバとオト。作者さんの個性であり感性を信じ、寄り添い励まし、生み出すことを後押ししてくれた、関口さんという存在。たったひとことかも知れないけれど、そのコトバに励まされることは、わたしもある。
そして、勇気をもって紡いでリリースしたら、多くの人たちに寄り添い、勇気づけ、名曲となって、今も唄われ続けている。
最初は、本当にたった1人なのかもしれない。だけど、たった1人のココロをつかむことができないものは、誰のココロも掴めない気もしている。だから、わたしはわたしなりの感性を信じてみたい気もしている。
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表現者さんの伴そう者さんになりたいと想っているけれど、表現を生業としている人たちのことを知れば知るほど、自分はどれだけ、その苦しみや想いに寄り添えるのだろうかと思ってしまう。
そういえば、こんなことをツイートをしていた。
そんなことを想いながらも、寄り添うってなんだろうって、ずっとぐるぐるもしている。
誰もが表現者だと思っている。まだ、周りの目線も気にならない小さかったあの頃、何かを想って、何かで表現をしていたと思う。
それが絵なのか、オトなのか、コトバなのか、写真なのか、動きなのか...それぞれ、人それぞれなんだと思う。
いつも反省してばかりだし、自分にできることは何かわからないけれど、わからないなりに、自分も自分でもがいていきたい。
サカナクションさん、デビュー13周年おめでとうございます。そして、いつもありがとうございます。これからも、楽しみに待っています。
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トップの写真は、誕生日に表示されるTwitterの風船。2020年5月9日の風船。プロフィールの文言も、フォロワー数も、来年の14周年の時には変わっているはずだから、キャプチャをして、作品のトップ画像にそえさせていただきました。やっぱり、人が好きだから。そしてその人の音楽の背景を考えるのは、とても好きだ。楽しかったぁ〜。
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参考文献
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