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血管内治療を終え、退院後の経過(2023年11~12月)

二度にわたる動静脈奇形の血管内治療を終え、約2週間の入院生活から解放されましたが、形成外科のA先生からは退院後に合併症が起こる可能性があることを予告されていました。

  • 手術後2~3週間経ったら、血管内治療の時に入れた塞栓物質(医療用接着剤)が皮膚から溢れてきて、ジュクジュクしたり感染したり出血したりするような合併症が起こるかもしれない

  • 場合によっては自宅で止血コントロールができなくなり、また入院してもらい処置することになるかもしれない

合併症はいつどこで、何がきっかけで発症するかがわからないので、不安なのは言うまでもありません。
そこで、退院後は万全の「合併症受け容れ体制」を構築しておくことにしました。例えば、

  • 自宅で出血したらすぐに圧迫止血できるよう、あちこちに止血用タオルと被覆材を配備!

  • 救急搬送されることを想定し、常に手の届くところにバッグとコートを配置!

  • 緊急入院となった時のために、着替えやら充電ケーブルやらパソコンやら入院セット一式をキャリーにパッキング!

  • 圧迫止血しながらでも救急車を呼べるよう、「ヘイSiri、救急車を呼んで」のリハーサル&シミュレーション!

  • Siriが機能しなかった場合も想定し、アレクサにも緊急電話対応を仕込む!

こうまで入念、というか執拗なほど万が一のための身支度に燃える自分をアホだなぁと思う一方、いずれ合併症が現れたら「おぅ!合併症さんよ、どこからでもかかってこいや!」とファイティングポーズで構えていました。

ところが、術後2週間経っても3週間経っても、A先生から予告してもらっていた合併症が現れてくれません。
11月上旬は週に2度形成外科外来に行き、先生たちに診てもらっていましたが、少しずつ潰瘍が縮小し、うっすらと改善傾向が見受けられるのです。
11月中旬になるとA先生から

「通院するの大変だろうし、塞栓物質が皮膚から出てくる気配もないし、自宅で自分でドレッシング(包帯や被覆材の交換)してみましょう。何か問題が発生したらすぐに病院にきてください」

と言われ、今度は自宅で独りで病変(潰瘍)と向き合うこととなりました。
潰瘍が縮小しているとはいえ、出血のリスクがゼロとなっているわけではありません。
さあ、この新たな不安をどうするか。

いろいろ考えた結果、不安をある程度鎮めるために、自分の行動をできるだけ「ルーティン化」してどんな突発症状も自分の日常だと思うことにしよう!と心に決め、まずドレッシングは一日おきに、かつ午前中のうちにやることとしました。ドレッシング中に出血して救急搬送されることになった場合、形成外科の先生たちが院内にいて対応できるのは日中だろうと、勝手に推測したからです。そして、ドレッシングの時間になったら、

①ドレッシング材一式(ゲンタシン軟膏、プラスモイスト、ガーゼ、伸縮包帯)を用意する!
②万が一に備えて止血用タオルと被覆材、救急車を呼ぶためのスマホと、バッグ・コートを脇に置く!
③旦那さんにもらった病気平癒の御守を握りしめ「出血しませんように」と願掛けする!
④深呼吸をして、包帯・ガーゼ・プラスモイストをそーっと外す!
⑤出血していなければ、「ありがとうございます」と御礼を言う!(謎)
⑥ドレッシングする!

これを一日おきにやりました。
そうして11月下旬頃、形成外科の外来でA先生がそーっとドレッシング材を外したところ、

「あ!潰瘍から肉芽が出始めてる!」
※肉芽とは、傷が治る過程で出現する皮膚組織の芽みたいなものです。

と、さらなる改善の兆しが現れていたのです。
肉芽は傷が治ろうと頑張ってくれている証拠。あとは上皮化を待つのみです。

12月に入ったら潰瘍はみるみる小さくなり、疼痛もかなり減少。
親指の皮膚の状態もどんどん良くなり、かねてから言われていた親指の壊死の可能性はなくなっていきました。
10月20日の緊急手術の前にA先生が上手に止血・縫合してくれたことと、放射線科のB先生が血管内治療の時に丁寧に塞栓物質を入れてくれたおかげだなと、あらためて感じました。

気を良くした私は、12月の形成外科外来でA先生に本音を伝えてみました。

「親指の状態がこんなに良くなっているので、年明け(1月11日)の血管内治療はやらなくてもいいんじゃね?ってつい思っちゃうんですよねー」

するとA先生は、それならば放射線科のB先生に外来で相談してみては?と外来予約を入れてくれました。
ところが放射線科のB先生の外来の前日、親指の潰瘍に「なんじゃこりゃあ?」という変化が現れたのです。

<次回へつづく🎵>

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