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血管内治療「硬化療法」の説明を受ける(2023年9月25日)

「血管内治療」とは、血管腫・血管奇形の治療法のひとつです。
具体的には、カテーテル(管)を血管内に挿入しリアルタイムで血管撮影をしながら血管の構造や血流を捉え、異常血管に詰め物(エタノールや医療用接着剤・コイルといった塞栓物質)を入れることで病変の血流を変え症状を改善するための治療法です。
「硬化療法」「塞栓術」と言ったりもします。

この手術は放射線科の先生にやってもらうことになるので、形成外科のA先生から「放射線科のB先生の外来で説明を受けてください」と言われていました。

そして、9月25日。
放射線科のB先生の外来診察室に入ると「Bです、よろしくお願いしまーす」と軽快に迎え入れていただいた後、早速動静脈奇形における血管内治療のイメージを、図を描きながらサクサクと説明してくれました。

私としては2000年に硬化療法を経験していたので、だいたいのイメージは理解していたつもりでした。
でも、やはり血管内治療のプロであるB先生の話の中には、素人の私では収集しきれない最新情報も多々ありました。

例えば、かつての動静脈奇形の硬化療法は、動脈を塞栓するのが主流だったそうです。確かに、2000年に当時のかかりつけ病院で硬化療法をやってもらった時は、橈骨動脈をキュッと縛りエタノールを入れる、というやり方でした。
でも、動脈を塞栓すると血流の行き場がなくなり、静脈まで血流が行かなくなったり、塞栓した動脈周辺で血管の大渋滞が起きたりして結局病変が悪化することがだんだんわかってきたらしく、最近は静脈を塞栓するやり方が主流なのだそうです。

「へーそうなんだー!😳」と目からウロコでした。
かつてよりベターな治療法があるなら、私のこの状態も思いのほかスムーズに寛解するかも!と心が躍りましたが、その時のB先生の表情を見ていると、そんな簡単な話でもなさそうなのです。
B先生は私のCT画像を見ながら、

「でも、うーんこりゃすごいなぁ。どうやりゃいいんだ💦」

と呟きました。
確かに、CT画像を見ると右腕から右手にかけての血管がぐちゃぐちゃに絡まって大渋滞で、なんとも言えないグロテスクな状態なのです。
B先生が「どうやりゃいいんだ?」と困惑するのも頷けます。でもB先生はすぐに

「まぁ、今ここで考えこんでいても仕方ないので、当日考えながらやってみます🎵」

と軽快に切り替えてくれました。
A先生もB先生も、それぞれタイプは違えどオープンマインドな方々だなぁ、それならば私も…と思い、遠慮なく質問させてもらいました。

【質問】血管内治療は今回だけでなく、何度か繰り返すことになるんですか?

【回答】そうなると思います。ぶっちゃけ、やってみないとわからないけど。

【質問】術後にどんな合併症が起こる可能性があるんですか?

【回答】塞栓物質のひとつとして金属製のコイルを入れるので、皮膚の下に「うーん何か入ってるな」と違和感みたいなのがあるかも。
また、コイル以外にもアロンアルファのような接着剤を入れることになるはず。数週間後に体内から異物を出す機能がはたらき、接着剤を入れた周辺から「うわっなんだこれ?」みたいなものが出てきてジュクジュクしたり出血したりするかも。
そして一番大きな合併症となりうるのが壊死。親指の状態が良くないので、血流を変えたことで親指が壊死する可能性あり。申し訳ないけど覚悟しておいてほしい。

【質問】局所麻酔なので私は手術中、器具のカチャカチャ音や先生たちの声を聞きながら手術を受けることになるんですよね?

【回答】はい。医師の「あーよくわかんねーなぁ」みたいな呟きも丸聞こえです。
手術中に痛み止めや眠くなる点滴をすることも可能。

【質問】じゃあ手術中に先生のボヤキが聴こえたら、私は「わかんないって言うな!」ってツッコミ入れることも可能ってことですね?

【回答】っていうかむしろこっちが「超ムズイだろが!」ってツッコミ入れたくなるよ。だって(CT画像を指して)こんな状態なわけだからサ。

こんなふうにくだらない質問を投げても必ず笑える返答をしてくれるB先生の手術が、なんだか楽しみにもなってきました。

A先生にもB先生にも言われた「親指が壊死するかも」という件は、想像すると恐ろしかったです。
でも、親指が壊死してしまうかもしれない私と向き合ってくれる先生が2人もいると思うと、多少のことは乗り越えられるような気もしてきました。
もし親指を失うことになったら、それはそれで新たな自分に生まれ変わったと思って前進していくしかありません。

あとは手術の日を待つのみ!これ以上出血しませんように…と祈り続けていたのですが、実際には前回記したような悪化の一途をたどり、10月20日(金)にまさかの事態に陥ることとなったのです。

<次回へ続く🎵>

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