過去の写真
キミはいつの間にか汚れてしまったようだ。
なぜそう思うかって?簡単さ。キミの絵を見たのさ。吐き気がしたよ。病みの中、闇を描いているのかと思ったよ。
心が見えないんだ。
20年前に見た、絵を描くことが好きなナルシスト全開の純粋な絵とは、似ても似つかないくらいまずい絵だ。
どうしたのさ。
もうあきらめるよ。キミはキミの世界の奥底にいる。こちらへの反応が皆無なんだ。悲しいよ。キミは友人1人失ってもたいして困らないし、友人よりも名誉が欲しいみたいだからね。悲しいよ。病んでしまうのはわかる。同じ絵描きだからね。しかし、どんなに苦しくても病んでも、表現し続けた画家がたくさんいるじゃないか。
こんなこと言ってもしょうがないか。
キミからの反応はないんだ。
お金と名誉をあからさまに求めているから見ていて恥ずかしいよ。今のキミを見せなよ。過去の写真なんかもう終わったことじゃないか。目を覚ますんだ!
「だぁーーー!」
夢か。そうだ、SNSの友人を1人消したんだ。少し心が楽になったよ。これでキミの汚れていく姿を見なくてすむようになる。
ごめんね。白いキャンバスを汚されたくないんだ。色をつけるのは自分だけだから。
キミは気づいている。今の自分がどういう状態なのか。もう関わらないよ。それでいい。
でも、悲しさは今日1日だけ続くだろう。