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コナンの魅力は?私は、「言葉」だと思う。

noteでコナンを語ったたことはないと思うが、実は昔からファンだった。と言っても、新刊が発売されても自分のタイミングでしか買わない”ゆる~い”ファン。

年明け、大阪の読売テレビで開催されていた『コナン30周年記念展』(2025年1月8日まで)に、運よく滑り込み参加した。

そこで30年のコナン史を振り返り、登場人物の多さに感心した。同時に、「愛され続けているコナンの魅力は、『言葉』じゃない?」と思った。


コナンって、今どうなってるの?

「今どんなストーリー展開になっているの?」

「コナンが好き」という話をすると、だいたいの相手に質問されるのがコレ。たぶん多くの人は、以下のことまでは知っていると思う。

世界的推理小説家の父を持つ高校生探偵・工藤新一。
数々の難事件を解決してきた彼は、
ある日、幼なじみの毛利蘭とデートの途中、謎の黒ずくめの男達の取引を目撃してしまった!!

証人を消すべく毒薬を飲まされた新一は、何とか命をとりとめたものの、
子どもの姿になってしまう…!

そして彼は江戸川コナンの名を使い、難解な事件を解き続ける。
全ては謎の組織の正体を突き止め、工藤新一としての自分を取り戻す為…

この世に解けない謎なんてあるはず無い!
迷宮入りなしの名探偵、
真実はいつもひとつ!!

「名探偵コナン」原作公式サイトより

そして現在(2025年1月)、106巻まで刊行されている(わたしは未だ100巻止まりです‥)。
いつの間にか大台乗ってたよね~。すごいな~。

大台は乗ったけれど、コナンは未だ小学生。元の姿には戻れていない。一方で、敵(黒ずくめの組織)の実態が明かされつつあり、最近は緊迫感あるストーリーも結構ある。

至る所にある伏線の回収は、まだまだこれから…。

新一と蘭は、”ただの幼馴染”を卒業し、
正式にカップリングされている!

しばらく読んでいなかったのに「また買い始めようかな」と思ったのは、最近10歳にも満たない甥っ子が、コナンを読むようになったから。

少し前までは、実家にある本棚をゴソゴソと漁り、マンガを取り出しては積み木にしていただけだった。それが最近は、クッションに座って読むようになった。

文字読めてるのかなぁ?と思ったが、時々クスクスと笑っている。彼なりに読んで楽しんでいるらしい。

それをきっかけに、わたしもマンガ購入を再開した。読み始めると、気がつけば1時間経過。
おもしろいんだよなぁ。

30周年記念展へ

そして母と大阪城公園のほうへ行ったとき、『コナン30周年記念展』に偶然巡り合った。(こういうイベント系には疎くて、開催されていることすら知らず。)

これは見たい…!と思い、当日券を買って母と入場。「展示のボリュームは…まぁ、30分くらいかな。」と予想して入場したけれど、それは間違いだった。想像以上の見ごたえがあり、あっという間に2時間が経った。

言葉に心動かされた体験の原点

企画展で印象的だったのが、物語のセリフをまとめたコーナー。例えば、展示の中でも紹介されていたこんなセリフとか。

「自分の運命から…
逃げるんじゃねーぞ…」

29巻より抜粋

「勇気って言葉は
身を奮い立たせる正義の言葉…
人を殺す理由なんかに使っちゃダメですよ…」

31巻より抜粋

ひとつひとつの言葉にいつの間にか引き込まれて、気づいたら自分と言葉だけの世界になっていた。

それでパネルのほうばかり見ていたから、「トンッ」と隣の人にぶつかって「あ、すみません‥」みたいなことが何回かあった(笑)でも、誰も嫌な顔したりしなかった。みんな展示に夢中だったからだろうな。

色の塗り方も、めっちゃ好き。


首のあたり調べたら、
針穴の跡だらけなのでは‥笑


コナンを読み始めたのは、中学生の頃。少年マンガは他にも読んでいた。けれど特別コナンにハマり、古本屋で集めるようになった。

なんでそんなにハマったのか。文字量多いし、1巻を読み終えるのに、だいたい1時間〜1時間半かかる。しかも、トリックや敵の秘密が明らかになったとき、「え!どう言う意味!?」ってなって、何度も読み返したり(笑)

そのうちに、大人になり物語への理解が深まって、面白みが増した。でも詳細を理解すること以前に、コナンに出てくる「言葉」に心動かされていた記憶がある

「The 決め台詞」なのだが、それがイイ。納得しちゃう。勇気をもらう。時には、歪んだ思考を「キュッ」と修正してもらったこともある。

物語の言葉に、正しさを求めているわけではない。
自分のなかで言語化できていない"信念"を代弁してもらい、共感するといった感じかな。登場人物が多いからこそ、ストーリーの中でいろんな考えが交わるし、その分、共感ポイントが増えた。

もしかしたら、「言葉で心が動く」と初めて教えてもらったのは、コナンだったのかもしれない。これは特に、「文字になった言葉」に関してだけど。

物語の言葉にたくさん影響され、知らぬうちに「言葉を好きになる土台」を育ててもらっていた。

表紙は全部見覚えある〜〜

運命から逃げるなよ

大満足だったコナン展(文字嫌いの母も!)。
コナン、やっぱり好きだなー。

30年分の犯人、見覚えあるわー。

もし「コナンの魅力は?」と聞かれたら、わたしにとっては「言葉」だ、と答える。

言葉が好き、言葉に興味ない。
たくさん文字が読める、読めない。

実はそれらは関係なく、伝えたいことが真っ直ぐに届くから、愛される。キャラクターの等身大の言葉の数々が、コナンの魅力だと思う。

今ここ

過去のマンガを裏返してびっくりしたけど、当時(1995年刊行時)1冊400円だったのが、今は1冊594円になってた。ほぼ1.5倍やん。この価格変化を見ると、またさらに長い月日が流れたのだと感じる。

そうした経済変化のなか、一読者のわたしも年齢を重ねた。

「やりたいことは、とりあえずGo!」していた頃に比べると、「やりたいことはあるけど、計画も大事」だと、状況を俯瞰するようになった。

そして、可能性があるからこそ無駄に悩むのだと知った。

だから、「やること」「やらなくていいこと」を選別するようにした。

衝動的な欲求と距離を取り、行動を整理するようになったのは、過去に複数行った選択の結果が、複雑に絡み合っていると感じたから。複雑に絡み合った現実を前に、何度も途方に暮れた。

情報にまみれ、等身大の言葉を失い、目の前のことが全てめんどくさくなった。全部チャラにしたいと思った。

「自分の運命から…
逃げるんじゃねーぞ…」

企画展で、ひさしぶりにこの言葉に会い、現実を投げ出さなくてよかったと思った。

運命なんて、あるのかないのかわからない。
でも、自分の選んできた道を否定せず、ただ先を見ろと。

それしかないのだと、思うことにした。
そして、前を見る。

そうしたら、不思議と心が晴れるんだ。
目の前の景色が、美しいなぁと思うんだ。

これからの選択は、なるべくシンプルに。
そして等身大の言葉を、守り続けたい。


‥‥というわけで、コナン展で「30年分の『言葉』」にどっぷり浸かって、お腹いっぱいだ。







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侑子 ︴わたしの山と旅時間✎𓂃
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