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冬の沖縄へ。オフシーズンの離島は最高でした
冬になると、沖縄行きの飛行機が安くなる。宿泊費も安くなるところがある。
とはいえ海に入るのは寒そうだし、沖縄の観光地は大方巡った。だから、いくら交通費や宿泊費が安くても「行ったところでなぁ‥」という気持ちだった。
けれど今年、ひょんなことから「冬の沖縄が良い」と知ることとなった。この12月に救護係として、団体旅行に付き添うことを依頼されたからだ。
東南アジアの最北端へ
今回訪れたのは、沖縄の離島、石垣島。石垣島を含む八重山諸島は、沖縄本土とは気候が異なる。
最高気温は本土より3℃前後高く、12月初旬で25℃前後あった。ちょうど訪れたタイミングは特別暑かったようだけれど、例年20℃ほどはあるのだそう。
冬でも日差しは強い。白い砂浜に照り返される光で、目が焼けそうになる。けれど真夏の湿っぽさがなく、カラッとした風が吹く。気候は本州の9月頃のよう。
「八重山は、東南アジアの最北端だ」と島の人が例えていたが、年中温暖な気候なので納得だ。また、「見たことのない魚を調べるときに、ふつうの図鑑はあまり使いません」とも言っていた。
なんでも、日本の魚図鑑では目当ての魚が載っていないことが多いそうだ。一方で東南アジアの図鑑を見ると、すぐに見つかるのだとか。
石垣島の景勝地、川平湾が美しすぎた。
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わたしは展望台で休憩。
人間と海との不思議な話
「人と海との不思議な話があります」
バス移動の合間に、バスガイドさんの話が始まった。普段は個人で旅行することが多いので、バスガイドさんの存在は超レア。
ガイドさんは、八重山の方言や地域の話をしていた後、今度は海の話をするのだという。どんな話なのだろう。興味深々で耳を傾ける。
「八重山では昔から、潮が満ちるときに人は生まれ、潮が引くときに人は亡くなると言われています。
波は1分間に18回波打つと言います。その18回は、人の呼吸回数と同じ。また2倍すると36回。これは人の平均体温と同じ。36を倍にすると72回。これは人の脈拍と同じ。72を倍にすると144回。これは赤ちゃんの心拍数と同じです。」
不思議な繋がりがありますね、と話は締めくくられた。
車窓から青々とした海を眺める。
母なる海。生命が始まった場所。
その海のリズムは、人の生きるリズムと関連しているという。元を辿れば人は海の子なのだ思うと、神秘的な気持ちになった。
沖縄は、海が近い。
ここに居るだけで、体も心も海と近くなる。
それは波と呼吸が、無意識に重なるからだろうか。
冬の海でシュノーケリング
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石垣島からフェリーで30分。小浜島に来た。
団体客は、ここでシュノーケリングをする。冬の海は冷たいらしい。特に気温が高い日は、水温がいつも以上に冷んやりするのだとか。
けれどウェットスーツを着用していれば保温効果がある。なので「快適に泳げますよ」と、ダイビングショップの方が説明していた。
団体客は、ざぶざぶと海に入っていく。わたしは船から気持ちよさそうに泳ぐみんなの姿を眺めた。
めちゃくちゃ気持ちがいい。
何がって、この空気が。泳いだらもっと楽しいことだろう。けれど青くゆらめく波を眺めているだけでも、体の芯から癒された。もし1人だったら…。ソワソワして、すぐに立ち上がっていただろうなと思う。波と同調し、呼吸が落ち着いていく。
結局3時間近く、船の上から海を眺めていた。
驚くほど飽きなかった。
「珊瑚と魚がたくさん見えた」と、海に潜っていたお客さんが教えてくれた。最近の調査によると、地球温暖化の気候変動に耐性のある珊瑚が生き残っているらしい。生き方の柔軟さに、おののいた。
小浜島でサイクリング
海で遊んだ後の午後は、小浜島でサイクリング。今のところ、幸いにも大きなけがをする人がおらず、ご厚意でわたしもサイクリングさせてもらった。
島を走っていると、畑を横断する青い大きな鳥を5~6羽発見した。なんと、孔雀である。天然の孔雀??
見たことのない光景に目を疑いながら、西大岳を目指す。ここは小高い山で眺望が良いと、島の人が教えてくれた。
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島まで約2kmなのだとか。
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at 『ヤシの木』
知らないことが増えていくおもしろさ
実は、八重山諸島は今回が約10年ぶりの再訪だった。石垣島も小浜島も、学生の頃に訪れたことがある。
沖縄本土は毎年訪れているし、昨年の2月は宮古島にも訪れた。あの時も、確か真夏のように暑かった。
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カヌーで遊んだ。
沖縄は他の地域と比べると、何度も訪れている場所である。けれど不思議なことに、来れば来るほど知らないことが増えていく。
冬の沖縄は曇りの日も多いと聞く。けれどこの冬、晴れて過ごしやすい日もあるのだと知れた。日陰で海を眺めるだけでも気持ちよくて、海への親しみが増した。
叶えたいことも増えた。
小浜島の乗船場で星野リゾートのお迎えを見たとき、今度は冬のリゾナーレ小浜島に来たいと思った。様々な場所を巡って愉しむ旅から、深い時間を過ごす旅へ。穏やかな波のように、呼吸がととのう時を過ごしたい。そしてその時に、大切な人と共に過ごせたら、なおいいだろうなぁと思う。
新しいアイデアや希望は、いつもと違う選択をしたときに、ふっとやってくることがある。だから、冬の沖縄に来れてよかったと思う。
新しい夢を見ながら、そしてこの団体旅行が無事に終わることを祈りながら、石垣島行きの船に乗り込んだ。
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