ポルトガルのビーチで食べるボラ・デ・ベルリン
日本の海で食べるものって言ったら、やっぱり焼きそば?かき氷?
海の家っていうのがあって、ひと泳ぎした後にそんな場所で食べる焼きそばやかき氷。その風情を感じながら、あぁ、夏だ!と思いながら食べると、ひとしお美味しくなるのではないでしょうか?
ポルトガルでのビーチで食べる風物詩といえば、ボラ・デ・ベルリン。
人が集まるようなポピュラーなビーチでは、大体このボラ・デ・ベルリンをクーラーボックに詰めて、浜辺を売り歩いている人がいる。
どんなものかというと、いわゆるイースト揚げドーナッツに黄色いクリームが入っているもの。日本語に直訳すると、ベルリンボール?
「この暑いのに、なんでこんな脂っこい、しかも痛みやすいクリームが入っているものが名物なんだろう?」と正直、今まで買ったことはないに等しかった。
でもなぜか、最近ちょっと色々と興味を持ち始めた。今年はきちんと夏休みというものを久しぶりに取って、何年かぶりにゆっくりビーチで過ごす余裕ができたからかもしれない。
本当に美味しい、こだわりの手作りのやつとかって売ってるのかな?どこで買ったら一番美味しいのに当たるのかな?
自分のインスタグラムのページでちょっとアンケートを取ってみた。
「どこのボラ・デ・ベルリンが一番美味しいの?」
様々な人たちから返事を頂いたけど、皆、町の名前を書く人がほとんどで、どこのビーチとか、どこの店とか、誰が作っているのか、まで知っている人は少なかった。でも、南部アルガルベが断然人気ということはわかった!
そうこうしているうちに、家から一番近いビーチに行った時に、ここにもやっぱりいたいた!クーラーボックスをいくつも持って歩いている女性が。売っているのはもちろんボラ・デ・ベルリン。聞いてみると、近くに住んでいる女性が手作りしているとのこと。早速一つ購入してみた。
このドーナッツの由来を色々調べてみると、どうやら第2次世界大戦中に、ドイツ系ユダヤ人の移民たちがポルトガルで作って売り始めたのが始まりらしい。元々オリジナルはベリーのジャムのようなものが入っていたらしいけど、ポルトガルでは、伝統菓子でよく使われていた、卵黄のクリームを代わりに挟むことになったようだ。
たくさんのレシピを検索してみたら、ほぼ全て卵黄だけを使ったカスタードクリームを入れる場合が多くて、だからあんなに黄色いんだなぁと納得。その他、卵黄とシロップを混ぜた、乳製品は使わない卵クリームを挟んでいる場合もある。
私が買ったボラ・デ・ベルリンも、この後者の卵黄クリームの方だった。だから思ったよりもスッキリしていて、揚げパンの割にはそこまでもたれなかった。でもこれを食べたらやっぱりコーヒーなどを飲みたくなるし、どうしてビーチの名物なのか、いまだにわからないままだ。
まぁでも日本の場合は、外国から来た人たちからすれば、なんで蒸し暑いビーチで焼きそばなんて食べるのか、理解に苦しむという人もたくさんいるだろうし、こういうのは風物詩で、そういうものなのだ、と思って、郷に入れば郷にしたがい、楽しむことが一番だ!