海外で人気の、意外な日本の調理道具
近頃ずっとプライベートの料理教室をやっていて気がついたことが面白かったので、シェアしようと思う。
うちにはいろんな国の方がいらっしゃる。ポルトガルの方が圧倒的に多いけど、昨今ポルトガルもインターナショナルな国になりつつあるので、フランス人、アメリカ人、カナダ人、中国人、ルーマニア人、などなどそれは多国籍だ。そして、最近は日本の方も少しずつ増えていており、私はとっても嬉しい。だって、ここで長年飲食に関わる仕事をしている私だから、こちらで手に入るおすすめの日本の調味料とか調理法、野菜や魚、肉のことなど、シェアできることがたくさんあるから。
ここに来られるのは、普段から家で日本食を好きで作っている方、日本に旅行して日本食の大ファンになった方、食べ歩くのは好きだけど、家では作ったことがない方などなど、いろんな方がいる。うちに来ていただいてレッスンをすると、私が普段使っている料理器具も見ることになるから、色んな反応が見れて、それも面白い。
包丁なんかは、言わずもがな、誰もが興味を持つアイテムだ。「ポルトガルだったらどこで日本の包丁が買えるの?」とか「それはどこのやつ?」とか色々聞かれる。満足な包丁が家にないからこんなふうに色々と切れないよ、とかいう方もいるので、「いい包丁があっても手入れしなかったら一緒だよ」とよく答えるけど、面白かったのは、「とても高い包丁を日本から取り寄せて満足していたけど、包丁を持っているからってなんでも作れるようになるわけじゃない、と後で気づいた。」とおっしゃる方がいて、確かに!と皆で笑った。
その他に必ず皆さんが感心するのは、とても意外なんだけど、トレイ類。え、トレイ?て思うでしょう?でもこちらではあんまり種類がないんです。特に収納しやすい薄いタイプとかはほぼ見ないし、皆が一番欲しいと思うのは、揚げ物トレイセット。揚げたものを置く網のトレイと、それをピッタリと下に置けるトレイのセット。揚げ物をそこに置いていくと「こんなのこっちにないよね!」と写真を撮ったりする人もいる。もしかして電気のフライヤーなどを使うからいらない、という人もいるかもしれないけど、ちょっとだけ何か揚げ焼きとかする時、便利ですよね。
それから、これも意外。おろし器。それも、セラミックタイプのやつ。昔ながらのアルミのやつもこちらには売っていなくて(中華ショップではたまに売ってる)、チーズおろしみたいなものが主流なんだけど、あのセラミックのやつは、大根や生姜をおろすととても滑らかな感じになるから、皆感心する。「これはぜひ買わないと!」と結構な確率で言う。確かにあのタイプのおろし器って、日本でも世に出始めた時、ちょっと衝撃的でしたよね?
それから、ベジタリアンの人たちに絶大な人気を誇るのは、土鍋。
土鍋みたいな土で作った鍋はポルトガルでも売っていて、私も買って使ったことがあるのだけど、釉薬の匂いが凄すぎて、何回使ってもご飯が全部その匂いになって私はちょっと無理だった。いつも教室では土鍋でご飯を炊くのだけど、中には「私もアマゾンで土鍋を注文して持っている」と言う人や「一体どこでこんな鍋が買えるのか?」と聞かれる。私はなんと、8年くらい前にリスボンにあるMujiで置いてあるのを見つけて購入した。でもその後一度も再入荷がなかったから、もしかして誰も買う人がいなくて、もう置かなくなったのかもしれない。
こんな感じで、思いがけないちょっとしたものが、こちらの人にはとても興味深いアイテムだったりするのです。なので、もしかして、料理好きの海外のお友達なんかには、意外なお土産やプレゼントで喜んでもらえるかも?というお話でした。
こっそりvoicyのラジオを始めてみました。