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海外にいる方が、日本人らしい生活になる?

海外で生活をされている方だったら、たくさんの方が実感することかもしれないけど、日本に住んでいた時よりも、より日本の文化のこと、食事のこと、考え方や気質などを、色々と考えたり話したりする機会が多いのではないか。

色んな国の人たちと話すと、「私の国ではこんな文化がある」とか「こんな食事をするよ」とか、そういう話で盛り上がるし、日本人同士だと、お互いの地方の話とか、今の日本の問題や、こちらでどんな工夫をして日本食を食べているかとか、そんな話でも盛り上がる。


ちょっと遠く離れた場所にいるからこそ見えてくる日本の美しさとか、反対にあまり好きじゃないところが見えてきて、もしかして、日本に住んでいる時よりもずっと日本のことをあれこれ考える機会があるのではないでしょうか?

私は日本食を提供したり、教えたりする仕事をしているから、特にそう思うのかもしれない。レストランを経営していた頃は、毎日和食を作って、お客様や従業員に食に関する色んなことをSNSを中心に伝えていた。今はリスボンを離れた田舎の方で暮らしているけれど、週に数回日本食の教室を自宅や出張でやっている。そうすると、自分が普段使っている道具や食器も、教室に来てくださっている方々にとってはとても興味深いものなのだと知った。


以前も書いたことがあるけど、こんな田舎だから、前のように日本食を作るのは一苦労するのかと思ったら、その逆だった。それが本当に自分でもびっくりで。

まず、海沿いだから、とても新鮮な魚が手に入る。そして、地元の農家さんが作る野菜も気軽に買えるし、自分でも畑をやっているから、野菜の味が濃い美味しいものを食べれるようになった。お味噌や糠漬けは自分で作っている。そしてこれは今ちょっと問題になっているのかもしれないけど、日本の美味しいお米が、こちらにいる方が楽に低価格で手に入るみたいだ。


近所の魚屋で買った鯵


これで一夜干しを作る

新鮮な魚介類さえあれば、捌いてお刺身や、簡単なお寿司、そして煮付けや蒸し物ができるから、それに雑穀米とお味噌汁と漬物で、立派な、素朴だけど、この上ない贅沢な食事が毎日うちでいただけるのだ。夏は魚の炭火焼だってしょっちゅうできる。今年日本に帰った時に行った整体の先生に、海外で毎日何を食べているのかと聞かれて、ご飯と味噌汁と糠漬け食べているというと、すごく感心していた。


鯖の味噌煮を作ったり

日本みたいにコンビニやお弁当屋さんはないから、手軽にお惣菜などは買えない。外食も日本みたいに安くないから、その分自炊する人が多いので、経済的だし、とても健康的。


お刺身にしてみたり

周りの日本人の方も、意外とご飯とお味噌汁などを毎日取り入れた食事をされている人は多い。現地のご飯を色々食べたけど、一周回ってやっぱり日本食に落ち着いたって感じだろうか。
なによりも、心身ともに感じるのは、ご飯とお味噌汁の和食が、一番体が調子いいし、メンタルも安定する。こんなヨーロッパ最西端の、そのまた田舎で、本当に日本人らしい食生活をしている自分がなんだか時々面白いなぁと思う。


近所の湖で採れた貝で酒蒸し煮麺

ありがたいことに今世界は発酵食ブーム。麹だって、簡単に取り寄せられるし、納豆やキムチも簡単にどこにいても作れるしね!シンプルな和食は素材さえ良ければどこにいても作れるのが1番の強みかもしれない。



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