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私が見てきたポルトガルのコーヒー事情、その1

先日、Tasca Kome時代にずっと使っていたコーヒーロースターのゴンサロが使っているカフェ兼焙煎所に行ってきた。

ちょうど焙煎しているところだった

ポルトガルは、どんな飲食店にも必ずエスプレッソマシーンがあって、コーヒーが飲める、コーヒー大国だけど、スペシャリティコーヒーという意味では、まだまだマーケットが小さくて、他のヨーロッパ諸国に比べて遅れていると思う。

少し前にも書いたが、レストランなどは、大手のコーヒーメーカーと契約をし、そこから一定量の豆を買うという条件で、無料でエスプレッソマシンとグラインダーを借りれる。そのメーカーのロゴが入ったコーヒーカップも、もちろんついてくる。もっと売り上げが良い流行っている店などは、ロゴ入りのテラス用のテーブルや椅子、パラソルなんかも提供してもらえる。

リスボンの老舗焙煎所、Negrita

うちは、最初はコーヒーの知識もなければ、どこのメーカーが美味しいなども全くわからなかったので、デザインが可愛くて、リスボンの地元のメーカーということで、Negrita(ネグリータ)という、黒人の女の子の絵がマークの焙煎所のコーヒーを扱うことにした。

Negrita焙煎所を見学に行った時

当時はなんと90歳のおじいさんが社長さんで、フタッフ全員で見学に行った時は、先頭を切って色々と案内してくれた。

ネグリータに無料で貸してもらったエスプレッソマシーンは、何年も使われてきただろう、随分古い機械で、それでも時代を感じる可愛らしさがあった。何か調子が悪いと、電話したらすぐに修理に来てくれた。その来てくれる修理の方も、また80代くらいのおじいちゃんで、とてもいい人たちだった。

SGT.MARTINHOのゴンサロとの出会い


数年が経ち、私のコーヒー好きが高じて、色々と勉強するうちに、スペシャリティーコーヒーの存在を知り、小さなコーヒー農園から直接アラビカ種を仕入れてリスボンで焙煎し、卸しているゴンサロに出会った。彼はコーヒーに対してとても情熱的で、パイロットという前職を辞めて焙煎所を始めた。一つ一つのパッケージに生産者の人たちの写真や情報、焙煎した日、味の特徴などをきちんと書いて、紹介してくれる。

そんな彼のコーヒーに対する情熱と、その彼の扱うコーヒーの香り高さ、そして自分でももっと勉強したいという気持ちもあり、コーヒーの仕入れ先をゴンサロがやっている「sgt.martinho」という焙煎所のものに変えた。

家用にも買ってドリップコーヒーを楽しんでいる

よく考えたら、大手の会社のものは、どこの国のどういう場所で作っているコーヒーなのか、いつ焙煎したものか、ちゃんとは教えてもらえない。私の今までやってきた、、生産者の顔が見える食材や飲み物を扱うという仕事に対する考え方に、ゴンサロのコーヒーはとてもよく合っていたのだ。

そうそう、一度店のスタッフを数人引き連れて日本に一時帰国した時、大学時代の同級生が、今はバリスタで、バリスタトレーニングもしているということを知り、大学卒業ぶりに連絡をして、わざわざコーヒーの講習もしてもらった。人って、何年後にいつ、どういうきっかけでまた再会できるのか、わからないものだなぁと、感謝!

続きは明日に。










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