下校途中の小学1年生
午後3時の苫小牧。
小雨がパラついている。
赤信号で停車し、ワイパーを作動させた。
ふと、歩道に目をやると、
小学1年生の男の子が、フラフラと…いや、ぐるぐると
回りながら歩いている。
(傘もささずに、ぬれちゃうかも。寄り道しないで帰りなさいよ)
1年生だとわかったのは、
ランドセルに黄色いカバーが付けられていたから。
カバーの下部には「苫小牧市」と記されていた。
たしか、ウチの子供たちが苫小牧にいた時は、小4にならないと傘はさせなかったはず。
低学年は傘を上手にさせないため、雨ガッパじゃないといけなかったと記憶している。
その男の子の後ろから、2〜3人の男女混じった小学1年生。雨のことなど気にもせず、楽しそうに歩いている。
さっき、自分が心の中で呟いた
(寄り道しないで帰りなさいよ)
この言葉を、私はすぐに撤回した。
子供は、寄り道して帰るくらいがいい。
友達とあれこれおしゃべりしながらの帰り道。
時には友達と喧嘩して、
そして仲直りして、
道端に咲いている野の花を摘んだり、
わけのわからない、なんの使い道もないような
金属の輪っかやBB弾を拾ったり、
水たまりに足を突っ込んで遊んで、
お母さんにしかられたり。
雨で濡れたら、フードをかぶればいいじゃない。
濡れてビチャビチャになることも、
経験しなくちゃわからないんだもの。
ーそんなことが、子供たちの心の栄養になるんだよね。子育てが終わってから、やっと気づいたよ。
ウチの子供たちには、ずいぶん窮屈な思いをさせちゃったかな。
来世、またお母さんになることがあったら、ドーン!と構えられる肝っ玉かあさんになるからね。
あ、でも…
来世になったら、今世の記憶なんてなくなっちゃうんだろうな。またおんなじこと繰り返すのかもしれないな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?