難病と診断されて これからどうしようと先が真っ暗になったときに これからの生き方を考える

私は 自分がやりたかった夢、自分がなりたかった職業『建築家』になれました。小さい頃描いていた未来の夢は とりあえずは ほとんど叶えられたと思っています。

そして、会社を作り、経営者にもなりました。
小さな会社でしたが、私にとっては 目が届く 無理のない ちょうど良いサイズの会社になりました。社員もいて やりたいと思ったこともできました。

しかし、進行性の難病を患い、仕方なく会社を閉じることにしました。

会社としては 多くのお客様もいて まだまだ仕事自体は継続できる状況でしたが、 
先々を考えて 自分がしっかりと判断できる期間が わずかしかないことがわかった時点で 私自身が 仕事ではない 新たな人生を歩もうと思いました。
自分の事だけではなく、社員の事や 今後の周りの人のことも考えて、今できることをしなければいけないと思ったからです。

会社をたたむと決めてから 社内のものを整理していると 虚しさを感じました。

会社を作ることは 簡単でした。
今の時代は これから個人で起業することも 簡単です。
お金がなくても 手続きさえすれば すぐにできる時代になったからです。
そして その時は、夢に向かって進んでいるから、心も前向きなものです。

しかし、会社をたたむときは 
やるべきことも多く とても厄介です。
また費用もいろいろ掛かります。
作るときの簡単さとは 比較にならないくらい やることが多いのです。
特に株式会社という法人化にしてしまうと、たたむのは思っていた以上に 大変になるのです。
心も前向きと言うわけにはいかないのです。

会社を作る時は たたむことまでは 考えないものです。
だけど 仕事を 個人レベルでやるとか ひとり社長であるならば
法人にしない方が良いかもしれないと 思った次第です。

ちょっと結婚と似ているかもしれませんね。
一般的に 結婚することは簡単ですけれども
離婚するとなると大変になるからです。
会社の残務処理をしながら 私は そんなことを考えていました。

もう会社の戦略を考えなくてもいいのです。
もうビジネスの事は考えなくてもいいのです。
今まで仕事のために勉強してきた事は 全て必要なくなったのです。

これからの人生、何を生きがいに生きていったらいいのだろう、と思うと、
企業を定年退職した人の気持ちが、ふと、わかるような気がしてきました。

私は小さな会社の経営者だったから
自分の定年は 自分で決めればいいのだ、と思っていました。
しかし、病が私の定年を決めてしまいました。

私自身はもうじき70歳になります。
古希になって長生きを お祝いされる年齢になりました。
世間一般から見れば、充分 退職していい年齢かもしれないけれども 
会社経営者としては まだまだやりたいことがありました。

母であり、妻であり、経営者であった私にとっては
家庭のことも 仕事のことも 忙しい人生でした。でも もうそれも終わり!
本当に楽しかったです。本当に充実していた人生でした。

健康であり、病を患っていなければ、私はまだまだ突っ走っていたのだろうと思います。
神様は、私の性格を知っているからこそ、あえて 病と言う定年を与えたのかと思えてきました。それも10万に1人か僅かしかいない厄介な難病と言う形で・・・。

それでも 私は絶対に 治しで見せると言う思いがあるのです。
あらゆる情報をもとに、出来る限りのことをして 治して見せると思えるのです。

これからも、人を巻き込んで楽しく暮らしながら、私は10万人に1人か2人と言われる難病を治して見せることが 私のこれからの使命であると思えているのです。

病を患ってから
私の見える世界が変わりました。

日本中の難病の人たちと 会う機会が増えたのです。

西洋医学では、もう施しようがない人たちが集まっている
東洋医学の病院でみかけるのです。

南は鹿児島から北は北海道まで 全国から藁をも掴む思いで、東洋医学の鍼灸院に来ている人たちが大勢いることを知ったのです。
まだまだこれから人生を歩む若い世代でも 難病を抱えている人が いっぱいいたのです。
患者一人ひとりに物語があって その一人ひとりが 難病に立ち向かって その人生を歩んでいる姿を見ていると 私は今まで 自分がいかに恵まれていたかを感じています。

小学生や 見た目は働き盛りの若い男の人、車椅子で家族に連れられてきている若者もいます。

こういう場面の中にいると 私自身は なんでこの病院に来ているのかと 分からなくなるくらいの 今現在は 軽い病人なのです。自分の足で歩け 誰とでもしっかりと対応している軽度の患者の1人であるように思えるのです。

今まで目にすることがなかった世界。難病で苦しんでいる人たちが 日本だけでも こんなにいるのだと言う世界を 見たのです。

私が今できる事はなんだろうかと思った時 何かできることを書いておこうと思ったのです。
いままで 充分仕事もしてきたし、やりたいこともやってきました。
しかし まだ人の役に立てることがあるかもしれない。
これからの幸せをどう探そうかと思っている定年退職した人の気分は 
こんな感じなのかな? 
これからの幸せとは? 私は 今を 精一杯生きていく事であると確信し
人に勇気を与えることをしたいと思いました。

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