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手作りランチ

旦那が整形の受診の帰りに、私宛の手紙を届けると連絡してきた。
別居して5,6年になる。
今は週1で一緒に買い物に行き、我が家の食費の分も買ってくれる。
会うのはその時だけ。買い物のあとスタバでお茶してわずかな時間話をする。
私は長女と二人暮らしだ。


午前診療だからお昼ごろになるだろうと踏んで、お昼食べていったら?と朝SMSを送った。
12時前に寄ると電話がかかる。お昼食べるか聞くと
「ああ。」
と答えた。


明日の朝のために 全粒粉パンを今朝こねて焼くようにしていた。
これ、お昼に間に合うかも・・・
そう思って、パンに会うおかずはと考えてみた。

冷蔵庫をのぞく。
オムレツにするかな、冷凍のコーンといんげんでバターソテー
あとはスライスハムを焼いて添えて。


今週間違って2パック生協で頼んでしまった卵のおかげで 冷蔵庫の中はキツキツ。
卵は割れるのが困るから場所を取りやすい。よし!卵消費だ。


一次発酵をおえたパン生地を8等分にまるめて2次発酵をする。
時間待ちにランチの材料の用意、飲み物はロイヤルミルクティにしよう。
ミルクパンに牛乳とアッサムの茶葉をいれて本格的に。
オムレツの具材の野菜を切って炒めておく。
コーンといんげんもバターソテーしておく。


時間は11時。二次発酵終了。
粉の分量間違えたらしくこね始めは慌てたが、案外うまくいった。
200℃に予熱する。
パン生地に切り目を入れ粉をふる。

15分待つ間、本を読む。
今は志賀直哉の「白い線」という随筆を読んでいる。

面白い。なんてことはないのに引き込まれるのはすごいと思う。
漢字が当て字のようなものが多くそれが意味が分かって読めると少し可笑しくおもえる。



ピッピッピッ。
いい焼き色だ。
時間は11時20分すぎ、到着予定は45分、食べごろに出せる。
ちょっとほくそ笑んだ。

どうだ、手作りパンだ、と言いたい。

器にのせテーブルに置いた。
旦那が到着した。
ソファに座ったと思ったら矢継ぎ早に、整形での今後の治療のためにサインしろと言ってきた。
せわしない、いつもこうだ。見えないのか?テーブルの上のものが。


オムレツ焼いているから後にしてもらった。
皿をお湯で温めてから焼いたオムレツをのせる。
トマトソースをかけ、ソテーとハムを添える。
ロイヤルミルクティーを作る。
バターを小皿にのせパンの横に置く。
ちょっとなかなかいいランチじゃないか。


でも昔から相も変わらずこの人はテレビ見ながら無言でがっつく。
そう、がっつくのだ。そして飲むように食べるのだ。
なんかほんっとうにその様子はがっかりする。

治療に関する書類を出してもらって 代諾者欄にサインした。
このところ身体があちこち具合悪くなってきた旦那が気になってきていた。
結構張り切って食事用意したのに、なんの言葉もない旦那に
やっぱりまた幻滅した。
別居して一人で暮らす旦那を慮って、お昼を食べてくように誘ったのに。
身体の検査の結果や痛む膝の治療方法の話をしてくるところから
やはり心細いのだろう、話す相手は欲しいかと思って話を聞くけれど
少しでも喜ばそうともてなす私の様子は気づかない。

少し嬉しそうにしてくれるだけでいいのに。
作るの嬉しくて楽しかったんだけど。


反応がないとがっかりする。
この繰り返しだ。
相手は変わらない、私は様子見て何かしてあげたくなり声をかける。
そこにいつまで私は見返りを求めるのか。
やらなきゃいいのに。


こんなことをすると後日 何か聞いてきて甘えてくることが多い。
私に要望があるのはわかるが、はっきりしない。
何が言いたいのか聞き直して、何してほしいか予測し聞き直す。
これで疲弊する。
不毛だな。
身体が不自由になりそうなら一緒に暮らす方がいいと思うが。
でも本人からはっきり言うまでやっぱり別々がいい。
まだ相手の反応が欲しい私。


今朝で昨日焼いたパンが全部なくなった。
今日はナッツとレーズン入りの全粒粉パンにした。

作ることの楽しみだけでいいか。
美味くできて、うん、満足。

このレシピで作った。ドライフルーツをナッツとレーズンに置き換えた。
(ナディアはお気に入り保存がたくさんできて気に入っている)


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