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自慢話だが、時間がある
吾が輩には時間がある。
春休み、夏休みがくっついたようなものだ。休みの終わりはわからない。
今日は美術館めぐり。
国立新美術館、森美術館のはしご。人の山を見に行く土日と絵を見る平日とは明らかに違う。絵がゆっくりと見られるのだ。ハーグのマウリッツハウスほどじっくりとはみられないが、まあ、鑑賞できる。描かれた時代にタイムトリップする。でもこのころあまり誉められるようなことをしていないよね。フランスも
ヒッピー、濁酒、グラスホッパー
猿、猪、蝮、狐と共存する場所に半年ほど生活していた。
犬や猫は数匹はいたが、雉はいなかった。
柿もなかった。
蟹はいたかもしれないが探したことはない。
河原ではヌートリアもいた。
壁と屋根はあった。
白い蛇もいた。
夕焼けの中の焚火が郷愁を掻き立てられた。
焚火の郷愁。
美しい。
毎日、濁酒、庭先野菜を肴に酒宴三昧。
農作業の傍ら、家事をし、買い物にも行く。
縫物もし、機織りもする。
深夜は見
10年はやっぱり長い年月
10年ひと昔。
半世紀生きると10年前は最近のことのように思っていた。
10年といえば、産まれたばかりの子なら10歳、小学4年生。立派な少年少女だ。中学1年生から10年経過すると23歳。就職一年目とか、就活の盛り、働いているなら1人前として見られているはずだ。
こう考えると10年は長い。
10年と少し前、北海道の小都市で4年ほど暮らした。その街によんどころない事情により一週間ほど滞在している。
南京虫的相対速度、時速4キロの旅
男の子の年齢は5,6歳だろう。
名前は知らない。
いつも背中にもっと小さな子を背負って歩いていた。背負っているのは彼の弟。とにかくいつも身なりが汚い。彼を知る人に生い立ちを聞いた。曰く、お母さんはどこかに消えた、お父さんはprison。だからあの子は知り合いに預けられているんだ。
この村で子どもの立ち位置は、出来の悪い大人。重いものは持てない、畑仕事も下手。ましてや親のいない子なんて河原の石こ
魔界への入口。時速1キロ
昨日は採用面接解禁だそうな。
トントントン
どうぞ。お入りください。
・・・時速1キロでやってくる。
失礼します。私は○○大学●●学部4年の××と申します。
どうぞおかけください。
では自己紹介してください、学業はどうでした?サークルはどうでしたか?アルバイトは?志望動機は?と。
魔界の番人は聞く。魔界の入門のための審問マニュアルだからだ。
何百人も面接してきた。
そのなかでもいち
プラタナスの木の下で時速4キロの旅を考える
ある休みの日のいつもの散歩中、ひと休みしていたプラタナスの木の下で思い出した。
ずいぶんと以前の話。
今からみれば石器時代のような遠いむかし、むかしのはなし。
飛行機の後部座席では喫煙が可能だったし、手紙やポストカードが闊歩していた牧歌的時代。当然携帯電話なんて存在しない。あったかもしれないが興味がなかった。電話に追われる生活はしない。それが決定事項。
石器時代に生きていた私のはじめての海
時速4キロ未満。ベテルギウスへの旅
思い出は色褪せない。
むかし、むかしの話。
地方都市のまた、その周辺で生まれ育った。つまりはけっこうな田舎ということになる。自宅から小学校への通学路は徒歩10分。とても近い。大手町駅の東西線から丸の内線への混雑した長距離乗り換えに比べれば、平坦な田舎の通学路なんてミジンコの喧嘩のような微小の世界だ。小数点以下5位四捨五入でゼロの世界観。でも小学2年生の足ではレイキャビクのように遠かった。絶望的
散歩。時速4キロ、宇宙の旅
コロナ禍の中で時間だけはたっぷりある。
仕事に追われ続ける日々から立ち止まって考える時間が生まれた。
朝は散歩だ。公園をたっぷり1時間歩く。ときには1時間半。約6キロ歩くこともある。ジムは義務感で通うことに飽き飽きして昨年暮れに退会した。
考える時間があればどこで考えてもいいようにも思う。飛行機の機内にはたっぷり時間がある。下手すれば10時間以上ある。新幹線も2~3時間はたっぷりと思索する時間