映画『カモンカモン』を見た。子供の声にどう反応するのか
マイク・ミルズ監督、ホアキン・フェニックス主演の映画『カモンカモン』を映画館に見に行ってきました。
予告編を見てから、どうしても見たいと思って、最終日に滑り込みで見ることができました。
あらすじ
9歳の少年・ジェシーと、ジェシーの叔父にあたるジョニーの数日間の交流を描いた内容になっていて、ジャンルで言うと、「人間ドラマ」ですね。
全編にわたり白黒映像で描かれていて、色情報をシンプルにすることで、より感情にフォーカスしていると感じました。
このマイク・ミルズ監督は、「20 センチュリーウーマン」や「人生はビギナーズ」などの、人間の内面にフォーカスした、家族をテーマにした優しい映画が多く、僕自身好きな監督でもあります。
この『カモンカモン』もその系譜で、より人間関係だったり、人の奥にある感情、社会のあり方、といったメッセージが散りばめられています。
子供との関係性が、ひとつのテーマになっていて、「子供の声」に大人や社会はどんな反応を示すのか、今の世の中にも非常にマッチしていて、考えさせられました。
演技力
この映画を素晴らしいものにしているのは、役者の演技ですね。
主演のホアキン・フェニックスと、子役のウディー・ノーマンの演技がほんと素晴らしく、引き込まれていきます。
繊細な子供の感情を見事に演じていたウディー・ノーマン、それに苦慮し、様々な感情を繊細な表情ひとつで伝える叔父役のホアキン。
最高!
音楽
あと、音楽も、感情を投影したエモーショナルかつアンビエントな音楽で、映像をさらに引き立てていました。
このあたりのセンスはさすがですね。
温かな気持ちになれる
この映画は、人生への気付きを与えてくれ、包み込まれるような温かな気持ちにさせてくれる映画でした。
ちょうど、今の僕の心境ともリンクするところがあり、ボロボロ泣きました。
僕は子供がいるわけではありません。ですが、子供だった時代があります。だからこの映画に共感を覚えたし、自分の過去とも重なる部分があった。
「子供の声」に対し、親や大人社会は、大人の都合で返していないか、本当に子供の感情に寄り添って考えることが出来ているのか、問われているような気がしました。
子供を一人の人間としてしっかりと向き合って、接することが大事だと思いました。