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詩
白みゆく言葉の微動
それから滲む
鏡の胸には散る花一つ
どうか言葉を頼って言って
夜に散らばるだけでも好いから
あなたの愛を雪いであげて
二つに一つの生き方で
我らはつるんと心を惜しむ
どうか来世を託して逝って
花に火を点け緩んでいって
意味も価値も追いつけないから
指の先だけ眺めて知って
インクで破れた心が見える
どうか私を忘れて行って
夜さえ朝日を照らして沈む
足下に咲き染む
気づかぬうちに
朔
2023.3.24 ー 29
さく【朔】
太陽と月の黄経が等しくなる現象、及びその時刻。陰暦ではこれを含む日を各月の第一日(朔)とし、朔を過ぎて夕刻西方の空に見える月を新月とよぶ。