詩 #39
踏み抜いた水溜まり
明日なんてなかった
八月の朝が来る前に花占いをしよう
花なんてどうせすぐに散るのさ
夢をかなえて
その先に何を夢見ただろう
好き嫌いでは語れない
花弁を引き抜いて
散って行ったのは
住み慣れたはずの街
思い出なんてなかった
夏の夕暮れの前に始発で旅立とう
別れなんて突然でいいのさ
だって君がそうだったもの
雲を追いかけて
その先に何を見つけただろう
悲しみや怒りでは語らない
僕らの心も
散って行った
花弁
2022.4.18雪屋双喜
春の終りが夏の始まりと同義でなくて本当に良かったと思う。