読書記録 蛇行する月
読書記録 蛇行する月
桜木紫乃さん、双葉社、2013年
私は読書は好きだけど、多読家でもないし、速読もできないけれど、またまた引き込まれてしまった。
大抵は寝る前に、読むことが多いけれど、読み始めると先が読みたくなり、頭が冴えてしまう。
そんな本の読書記録です。
◎あらすじ
北海道の高校の図書部の仲間の順子、清美、桃子、直子。そこは、進学校でもない学校で、運動も音楽もしない生徒が集まっていたたまり場。
でも、そこは間違いなく、彼女たちの居場所だった。
順子は、本が好きで大人しいけれど、芯のある性格だった。国語が得意で他の科目は赤点があるのに、現代国語は、テストでいつも満点だった。
実は順子は、現代国語の教師、砂川のことが好きだった。ある時、図書部でみんなにそのことを、話題にすると、告白することを提案したのは、清美だった。
他の友達は話半分に聞いていたが、当の本人の順子は思いつめたのか、
夏休みのある日、清美の提案どおりに決行したのだ。
そして、、、。
物語は各章で順子の家族や友人を中心にすすんでいく。
◎感想
✴︎順子はどんな女子高生だったのだろう。本を読むことが好きで、ことばや文学、評論を扱う国語が好き。でも、母子家庭で生活は苦しくて、母から充分な愛情を注がれたとは言えない育ちだったのだろうか。
✴︎✴︎
物事に一途なところは、順子のその後の人生にも現れている。周囲からの祝福とかより、自分が大切なものを守っていくことを、幸福と信じて生きていく。
そんな人生は誰でも送れるものではないと思う。
ただ少しその時間が短いのが、私にはとても残念に思えた。
本を閉じても、人生とは、幸福とは、という事を考えずにはいられない、深い余韻のある物語だった。
◎今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。