新聞の片隅から
新聞の片隅に載っていました。
茨木のり子さん、
詩人、エッセイスト。
2006年に亡くなっている。
私は学生時代に
「自分の感受性くらい」
という詩集を持っていた。
自分の感性をみずみずしくことばで表現する力に、ハッとさせらせた。今回見かけた詩、忘れないように、記録しておこう。
詩集 倚かからずより
「倚りかからず」
茨木のり子
もはや
できあいの思想には倚りかかりたくない
もはや
できあいの宗教には倚りかかりたくない
もはや
できあきの学問には倚りかかりたくない
もはや
いかなる権威にも倚りかかりたくはない。
ながく生きて
心底学んだのはそれぐらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合なことやある
倚りかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ
(筑摩書房 広告 2022.1.28)
爆発的感染状況、パンデミックの中、閉塞感があふれている。
そんな時、何を指針にすればいいのだろう。
私は、あてのない答えを探すために、散歩しよう、そうしてまた、本をめくろう。