読書記録 やわらかい砂の上
読書記録
やわらかい砂の上
寺地はるなさん著
祥伝社
夏本番のような天気の今日。
オリンピックの視聴と応援も好きだけど
その間に、涼しい部屋でゆっくりと読書タイムに
ふさわしい1冊でした。
慌ただしい日々を送っていた20代の私に
今まさに我が娘に
時には時間を忘れてページをめくってほしい。
そんな本でした。
◎あらすじ
主人公の駒田万智子は、20代の女性。大阪で本多先生の個人の税理士事務所で働く。
万智子は幼くして病気で母を亡くし、生真面目な父と2人で暮らし、商業高校を卒業して勤め始めた。
大阪で偶然に出会った高校時代の友達、菊ちゃん。
菊ちゃんはスーパーのお惣菜売り場で働いてるので、時々余ったお惣菜を持ってきてくれ、ささやかな夕食を楽しむ。
同じ職場で何年か時間がすぎて行った。商業高校で簿記などを習った万智子は、穏やかに仕事を進める税理士の本多先生の職場は居心地がよかった。仕事は書類や郵便物の整理や届け物だ。
ある日、万智子は本多先生から、お使いを頼まれて、ウェディングドレスのオーダーメイドのお店に行く。
そこで、了さんという店のオーナーに気に入られ、万智子はアルバイトをすることになる。
そして、了さんのお店の取引先の早田さん、了さんの友達の美華さんという、新たな人々との出会いの中で、万智子の生き方が少しずつ変化しはじめる。
◎気になった表現
小さい頃から人の悪口や噂話はしてはいけないと、父から教えられた万智子に対して美華さんは、
*不愉快だと思ったことは不愉快やって言うたらええねん。失礼なこといわれたら、ちゃんと怒りなさい。
万智子は万智子のために怒る義務があるんやで。それが自分を大切にするってことよ。
菊ちゃんと私で砂丘を歩きながら、
*人はひとりでは生きていけない、なんていうけれど、誰かと手を繋いでいたら転んでしまう時だってあるんだと知った。
ためらいなく繋いだ手を離せるように、隣に歩いている人を信じる。自分の足でしっかり立つ。そのことを、忘れないでいよう。
◎感想
人生の中で色々な人々との出会いによって、価値観や物の見方や考え方に、大きな影響を受けることもある。
私もそう、学生時代、子育て中、仕事で、出会いの中で価値観や物事への向き合い方など、学ばせてもらった。
でもまだ、時代の流れを読みきれないし、本当に人としての未熟さを感じる。
そうまだ私の人生は続いている。
ここで立ち止まって振り返って、この本とも貴重な出会いだったかと思う。
◎今日も最後まで私のnoteにおつきあいいただきありがとうございました😊