【7分で読める】弱者/無名映画監督として成功する術:ランチェスター戦略について(後編)
映画監督の岩崎雄貴です。
前回の記事にて弱者として勝つ戦略:ランチェスター戦略を紹介いたしました。今回はランチェスター戦略を使って私のようなまだまだ無名の映画監督(弱者)がどうやって勝つのかを考える、という完全に私のための記事です。それでも自分の人生や事業に応用したい、私がどんな風に頭を整理して戦略を立てたのかを自分がやる時の参考程度に聞いておこうという方はぜひご覧ください。
まずは前回の振り返り。ランチェスター戦略を応用する上で大事な5つの戦略は以下の5つです
①局地戦
②一騎打ち
③接近戦
④一点突破
⑤奇襲攻撃
この5つの戦略をどのように自分の人生に活かすのか。
①局地戦:長さ・ジャンル・テーマで局所を絞る
まず、局地戦。私の映画を戦わせる戦地を選びましょう。私の作品が勝てる分野とはなんでしょうか。私が勝ちたいと願う分野はどこでしょうか。私が勝てる分野は短編映画です。ハリウッド映画ほどの予算がないので長編にすればするほど制作費で差をつけられてしまいます。そこで多少予算に差があってもアイデアで勝負ができる短編映画であると思います。
次にジャンル。これは私が「勝った」と言えるデータが少ないです。現状の実績としては、「大学の短編映画コンテストで最優秀賞」「ロサンゼルスの映画祭:LA Neo Noir Novel, Film, and Script Festivalにて1000作品のうちの100作品に公式選出」ぐらいしかありません。したがって、私が勝ちたい分野でその分野(ジャンル・テーマ)を決めていこうと思います。
ジャンルは決まっています。「ノワール」です。ノワールというジャンルは簡単に言うと世界恐慌もしくは戦後の暗い世界観を表現したお話です。つまりは暗い話・シリアスな話が好きなのです。実際、私が好きな映画は「ファイトクラブ」「ナイトクロウラー」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「ドライブ」などの映画です。
しかし、「短編+ノワール」だけだとまだまだライバルはいます。ですので「テーマ」を加えてみましょう。私が興味のある「テーマ」「トピック」はなんですか?と聞かれれば私は「男性性」「自殺」と答えます。大学の卒業論文で「ファイトクラブから見る男性性の崩壊」のようなものを修めました。私自身、「男らしく強くなれ」「正社員として家族を支えろ」という教育を受けて育ってきました。その教えに背いて生きている自分に気づいた時、自殺を考えたこともありました。ただ、私は周りの励ましもあって今も元気に生きています。だから、その励ましを私の場合は映画でできればいいな、と書きながら気づきました。
「短編+ノワール+男性性の映画が私が勝ちたい分野なのか?」そう聞かれて違和感なく「はい」と答えられる自分がいました。では、ここを私が戦う局所としましょう。
②一騎打ち:他作品との比較
一騎打ち。これは割と簡単だと思います。自分の映画を売り出す時に他の映画を引き合いに出して自分の映画にしかできないことを宣伝すればいいわけです。例えば、「実は女装をしたいスーパーマンが主人公の物語」のように他の映画とは違いますよ、という差別化をキッチリとすることですね。したがって、私が映画を作る時は他に似たような作品がないかをしっかりとリサーチをして、その作品が扱っていない部分を自分の作品の強みにする、という工程が必要になるということですね。
③接近戦:観客と映画鑑賞
接近戦で戦うのは見てくれる観客の皆様ですね。作品をNetflixやYouTubeにアップし、「とにかく見てくれ!」と出すだけでなく自分で上映会を開催し、自分がその上映会で観客と一緒に映画を見る、これが接近戦ですね。西野亮廣さんもえんとつ町のプペルが上映されている時にされていましたね。かくいう自分も以前にそんなことをやっていました。茨木のイオンシネマを貸し切って50人のお客様を呼び、上映会を開催しました。
ただ、これの問題は赤字だったことなんですね。制作費50000円と会場費30000円という費用に対して収益が50000円でした。これに関しては自分が他の事業(脚本のコンサルや映画制作の補助)でお金を稼ぐことで解決を図ろうと思います。
結論として、接近戦をすることを見越して、日頃から遠隔戦(YouTube・SNS)で自分の作品を発信しておき、接近戦をする時に多くの人を呼ぶ、ということができます。
④一点突破:自分の作品を届けたい人を1人決める
自分が勝てる場所に全戦力を投入する。織田信長であれば今川義元に的を絞りました。私が考えるべきは「この人に刺されば勝てる」という「人」と「作品」を考えることですね。作品はさっき決まりました。となれば、私が考えるべきは私が刺そうとしている人ですね。つまり映画ごとに刺す人を考えて作品作りをするということですね。前回の記事で公開したペルソナを決めることが一つかもしれません。
海外の著書でペルソナを決め、「その人が所属するコミュニティで宣伝をする」「その分野で影響力を持っている人からの協力を得る」という戦略が紹介されていました。
著者の方から翻訳の許可もいただいているので機会があれば内容の翻訳もしようと思います。
⑤奇襲攻撃
これは完全にアイデアの世界です。相手:観客が思っていない箇所から攻撃を仕掛けて虜にしろ、ということですね。つまりは以下に面白い物語を作るか、です。投げやりな答えに聞こえるかもしれませんが、他の大手と言える映画を見てみましょう。
・MARVEL・DCの映画が公開→「MARVEL・DCの映画だから」という理由で見に行く
・著名な映画監督の作品が公開→「〇〇監督だから見に行こう」
・それがない弱者→物語のあらすじで釣る
〇具体的な作品
・無人島に取り残された青年がなんでもできる死体と一緒に生活をし、生きる意味について考えていく(スイスアーミーマン)
・会社員の男が偶然出会った男と夜に男たちが集まって喧嘩をするファイトクラブを立ち上げ、現代の消費社会をひっくり返す革命を起こす(ファイトクラブ)
などですね。
振り返り
ここまで書き、私が映画監督として進む道は決まりました。私が映画監督として勝つ戦略は要約すると「面白い作品を作れ。しかし、その作品はとても具体的な人に向けた作品であるべきである」ということになります。
ぜひ、みなさんもこれから挑戦していくのであれば、今回、紹介したランチェスター戦略を参考にしてみてください。
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