ニューヨークの思い出
大学3年の夏、ひとりニューヨークに行ったときのこと。
当時バイト先で仲良くしてもらっていた大好きな先輩の留学先だったから、行かないと後悔すると思って、色々と無理のない範囲でなんとか4泊くらいの日程を組んで行った。
デルタ航空を利用して、デトロイト空港経由でラガーディア空港に降り立ちました。ニューヨークの空港なの、ってくらいがらんとしたラガーディアの印象にそわそわしながら、バスでマディソンスクエアまで乗せてもらい、滞在するホテルへチェックイン。お部屋のカードキーが反応せず困ったけれど、フロントのおじちゃんが丁寧に対応してくれたおかげで助かりました。
同じ年にマディソンスクエアガーデンでL'Arc~en~Cielがライブをやっていたのでちょっと嬉しくなりつつも、タイミングがあえば現地で見たかったな〜と思ってしまったのでした。(MSG公演は朝9時からのライブビューイングを見ました、渋谷の映画館で)
ホテルの周辺を散策しながら、夕方の待ち合わせまでの時間を過ごしました。昼間でもタイムズスクエアの周りはごたごたしていたけれども少し先の5thアベニューやブライアントパークなどの周りはとても洗練された雰囲気で、場所毎に違った街並みが楽しめるのは東京と同じだな、と思いました。雰囲気は東京とは全然違うけれど。
三角形のフラットアイアンビル!MARVELの世界!
先輩との待ち合わせはワシントンスクエアの噴水前。大きな噴水の周りにはたくさんの人がのんびりと過ごしていて、街の憩いの場所のようだった。ニューヨークは大都会なのに緑の多い公園が多かった。
近くの中華レストランでご飯をしながらつもる話をたくさんして、ジャズバーへ連れて行ってもらいました。
演奏されていたのはジャズだけじゃなかった気がするけど、心地よい暗さと狭さの中で流れる心地よい音楽のおかげでほぼ夢の中でした。ホールを出てからはパブリックパフォーマンスをみたり、ニューヨークへついて初日だけでもとても充実していたな。
翌日からは、朝からコーヒーとベーグルを求めて毎朝歩きまわり、昼間は美術館や博物館を巡って、先輩のレッスンがおわる夕方に落ち合って遊んでもらっていました。
当時ベーグルサンドに超ハマっていたので、毎朝どこかのベーグル屋さんに行ったり、テイクアウトをして公園でのんびりピクニック気分に浸ったりしていました。ホテルの朝食が大好きなわたしなのに、食べた記憶がまったくありません。はて。
公園で朝食をとっていたときにリスに出会ったことも。
野生のリスは公園にもよくいるようだけどこんなおおきいリスを近くで見たことなんてなかったのでとてもびっくりした。
今では日本のどこでも食べられるけれど、アッパーウエストサイドのサラベスにも行った。雰囲気がもう1日中朝食!っていうくらいさわやかで優しいお店でした。パンケーキも美味。
ちょうどホイットニー美術館では草間彌生の凱旋展示をしていて、MOMAではブラザーズ・クエイの企画展があり、なんとも良いタイミングでした。Metや自然史博物館は想像していた規模の何倍も大きくって、百聞は一見に如かず、とはこのことだと本気で思った。どこも1日中過ごせそうな場所だけど、自然史博は楽しすぎて本当に時間が足りなかった。
そしてこの旅で1番楽しみだったのはオフブロードウェイのSleep No More。
シェイクスピアのマクベスを基にしたパフォーマンス。初演から随分たった今ではあまりに有名で、日本語で書かれたレポートもたくさん読めるようになりましたが、当時はまだ初演から間もなかったため情報があまりなく、とにかくどきどきの体験でした。ブロードウェイにはあまり惹かれなかったのだけど、オフブロードウェイではミュージカルよりもダンスやお芝居などジャンルも様々で面白いということをはじめて知りました。
会場はチェルシーの廃ホテル、観客は全員白い仮面をつけ、私語は厳禁、客席はなく、たくさんある部屋を好きなように観てまわる体験型の舞台。とにかく歩き(走り)回って観ていくスタイルなので、荷物はクロークに預けなくてはならないし、スニーカーでないと厳しいです。
受付を終えた観客は数人ずつ呼ばれてエレベーターに乗せられますが、途中で降ろされたりするので先の予想がつきません。最終的には元いた場所へ戻されますが、薄暗く雰囲気たっぷりの空間の中で、わたしは演者からはぐれず追いかけるのに精一杯。それでも次はどんな演出が観られるのだろう、と思いながら追いかけるうちに楽しくなっていきます。
ひとつの大きなテーマに沿いつつもそれぞれ個性的なパフォーマンスはもちろん素晴らしいし、細部まで作り込まれた会場の雰囲気や、観客を巻き込んだ魅せ方など本当にすごい舞台だと思います。同じ体験ができるとは限らないのでリピートしたくなる気持ちがとてもわかります。アドレナリンめっちゃ出た。
怪しい写真!笑
先輩にはSleep No Moreの他にも、ブルックリンの雑貨屋さんやインテリアショップ、可愛い洋服や古着のお店、美味しいサラダやフレンチトーストのモーニングや、ハンバーガー屋さん、コリアタウンなどに連れて行ってもらいました。
ハイラインでのんびりひなたぼっこをしたり、ブルックリンブリッジの近くで夜景を眺めて過ごしたのも楽しかったな。
ブルックリンはマンハッタンに比べて落ち着いた街並みでお洒落なお店ばかり、とってもお気に入りの街になりました。雑貨や古着、文具店、こじんまりしたカフェなど、犬をつれて歩いている地元の人もなんだかのんびりしていて良い感じだった。
チェルシーのマーケットや、ホールフーズをぶらぶらするのも楽しかった。海外のスーパーマーケットはやっぱり楽しい。カラフルなカップケーキやクッキーが並ぶショーケースや、可愛いパッケージのお菓子の棚、ビッグサイズの野菜たちなどは見て歩くだけでわくわくします。
セントラルパークはもっと歩きたかった!
アリスの像!みんな大集合。
短い滞在だったけどホテルの記憶がないくらい街歩きを楽しめた旅でした。ホテルのお部屋で唯一記憶があるのは、ドライヤーがなくってアイロンがふたつあったことくらいです。笑
本当に充実した旅だったけれど、もっともっと行きたいところや見てみたいところがたくさん残っています。
ニューヨークはサラダボウルと呼ばれるだけあって、本当に色々な人がいる街だった。幸いなことに道を聞いても優しくしてくれた人ばかりだったけれど、今の情勢でまた変わっていく部分が多いだろうなと思う。
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会いに行った先輩はモダンバレエのダンサーで、コンテンポラリーダンスについて教えてくれた人でした。もちろんわたしは踊れないけれど、舞台を好きになるきっかけをくれました。
立ち姿だけでもダンサーだとわかるような人で、バイト中は早朝から舞台や美術、美学、宇宙の話などをして過ごしました。(仕事して!笑) 楽しい思い出ばかり。視野を拡げてくれたし、女性としても憧れる存在です。彼女がいなかったらわたしがアメリカに行くことなんてなかっただろうな。落ち着いたらゆっくり会いたい。そしてニューヨークにもまたいつか行けたらいいなと思います。
大切な旅の思い出のひとつでした☆