雨のジャカルタ
JAKARTA
例えばコンピューターでインドネシアの首都ジャカルタを調べた際には、以下のような文言が踊るように並んでいることに気がつく
“東南アジア最大の大都市”
“混沌と喧騒の中心地”
“世界屈指のメガシティ”
今年の5月に初めて5日間、ここジャカルタを訪れた際は、それらの踊り文句に、しかし思わず首を傾げたくなるような印象を持った・・・
大都市であるのは間違いないのだろうが、中国の地方都市を見ているような既視感と閉塞感、負の側面が否応なく目立った
“世界ワースト1”と評される深刻な大気汚染で日中も空は灰色で薄暗く、夕方のスコールはホテルの窓をどろりと垂れるように流れ落ち、チャイナ・タウンはゴーストタウン・・・
大小無数のショッピング・モールは日本を始めとする欧米の資本だらけ、埃っぽい空気、交通渋滞、たいして美味しくもないのに目が飛び出るような値段のレストラン、酸性雨、酸性雨、酸性雨・・・
ディストピア
ただほとんど唯一、良いと感じることができるのがホテルの種類の豊富さとその抑えられた価格なのかも知れない
五つ星もデザイナーズホテルも、少なくともベトナムや西ヨーロッパの(シーズンにもよるが)半額程度で宿泊することができるように思える
特にデザイナーズホテルはインドネシア以外では宿泊したことがないので興味が尽きない
インドネシアの若手デザイナーたちや近隣国のデザイナーたちが集まり、工夫と色彩を凝らして仕掛けたホテルの内装の数々
今回は中央ジャカルタのARTOTELを年末年始の二日間抑え、ここを拠点に、近未来的なディストピアを思わせるジャカルタを、もう一度、探索
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