#4 愛の定義
エーリッヒ・フロム著の「愛するということ」を絵で描いてみた・#3「孤独の克服方法」の続きです。2章はボリューム感があったため、いくつかに分割して更新しています。前回、「人間がどのようの孤独を克服しようとしてきたか」という手段についてまとめました。今回は、フロムの言う「愛の定義」についてまとめています。
簡単にまとめると...?
*愛は2種類に分けることができる
* 未成熟な愛
* 成熟した愛
* 成熟した愛は、依存心や思い上がりを克服・自分の能力を信じて自らの力に頼る勇気が必要
* 能動的な愛には、配慮・責任・尊重・知といった要素が含まれている
* 男女という二つの極の合一の欲望が存在するが、男女であれば誰でもいいというものではない
* 愛と一口にいっても、親子・兄弟・自己・神などさまざまな愛が存在する
愛は2種類に分けることができる
「与えること」は、「何かを諦めること」や「剥ぎ取られること」、「犠牲にすること」ではない。
「与えること」に対する考え方
なぜ、「与えることがもらうことのほうが喜ばしいのか?」
愛する勇気に必要な要素が、欠けていると自分自身から与えることが怖い。(愛する勇気がない状態)
能動的な愛の基本的な要素(配慮・責任・尊重・知)
愛する勇気(能動的な愛)は、基本的な要素が存在する。
* 配慮
* 愛する人(相手)のために、気を配ることができる
* 責任
* 自分自身はもちろん、相手にも責任感を持つことができる
* 尊重
* 相手を支配したり、所有感を得るのではなく、相手のやりたいことを尊重できる
* 知
* 相手を尊重する上でも、相手を深く理解しようとすることができる
孤独を克服し、他の人と融合したいという欲求は、「人間の秘密」を知りたいというもう1つの人間の欲求と密接に関わっている。
人は、自分自身・他人を知りたい渇望がある
私たちは自分のことを知っている。だが、本当の意味で自分を知ることはできない。「愛」は、能動的に相手の中へと入っていくことであり、その結合によって相手の秘密を知りたい、という欲望が満たすことのできる方法である。
フロムの「愛」の定義
・孤独感・孤立感を克服するためには「愛」を通じて克服することができる
・精神的・身体的に誰かと1つになりたい!という願望の実現として愛という手段がある
+男女という二つの極の合一の欲望が存在する
しかし、この欲望は、単に子供を生みたいという本能的なものだけではない。
愛は、「異性なら誰でも愛せる!」というものではない。愛するためには、性別・性格・性質などもっと深めた先にある自分をより補完してくれる相手が必要なのである。
愛の種類はさまざま
また、異性の愛だけではなく愛の種類はさまざまである。
次回はそれぞれの愛の原点である、「親子の愛」からどのように幼児は愛する能力を身につけるのかについてまとめます。
次のnote:#5「愛の成熟プロセス」
索引
(まとめ)『愛するということ』を絵で描いてみた
第一章 『愛は技術か』
#1「愛は技術か」
第二章 『愛の理論』
#2「人の愛について」
#3「孤独の克服歴史」
#4「愛の定義」(現在のnote)
#5「愛の成熟プロセス」
#6「愛する力と対象について」
第三章 『愛と現代西洋社会におけるその崩壊』
#7「愛と現代西洋社会におけるその崩壊」
第四章 『愛の修練』
#8「愛の修練」
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