神戸大学4年生による、受験体験記

パーカーくんが武田塾チャンネルに出演し、受験体験を語っている様子を見て、私の受験体験記は全く参考にならないものだなと思った。

私が受かった大学は神戸大学という大学だけれど、その大学に合格するまでの高校3年間の受験勉強では、偏差値はほぼ同じ値を刻んでいき、そのまま神戸大学を受験、合格した。だから、私に偏差値が上がった方法を教えてくださいと聞かれても、私は、偏差値が上がったことがないので答えようがないと答える他ないのである。

また、勉強法に関しても、私は王道の勉強法とは全く異なる方法で受験勉強をしていた。みんなが英単語帳に付箋を大量に貼って、単語をひとつ一つ覚えるのに対して、私は長文読解だけをし、そのなかで分からなかった単語を調べていた。また、英語をいい発音で流暢に読むのが面白かったから、何回も文章を口に出して読んでいた。言ってみれば、適当、だ。特に方針がある勉強法ではなかった。周りのみんながしている方法は効率が悪いからしなかったというわけでなく、単純に私には出来なかったのである。単語帳の単語を覚えようと思っても、3ページほどすると飽きてしまった。また、物理に関しても、みんなが基礎問題集を繰り返し解いている中、私は日本で最も難関とされる参考書の問題を読書のように読んでいた。この本を読んでいる時が一番楽しかったからだ。この本は物理法則が実際に現実世界で適用できることを私に教えてくれた。この本を読んでいる時が一番ワクワクした。私は物理の公式を覚えないといけない際も、単純に暗記するのでは気が済まなかった。もちろん、記憶力が非常に良くないからそれができなかったというのが前提にあるし、物事を徹底的に深掘りしたくなるほど知的好奇心が旺盛だったというのもあるかもしれない。

受験勉強は、楽しかったというと私の友達は怪訝そうな表情をする。私からしてみれば、逆に楽しくもないようなことをどうして数年間も続けられるかと思う。私は大学受験で学問の面白さを知ることができたと思う。受験勉強においては、単純に速読と言って早く読むことだけに焦点をおいた意味のない英語の授業にうんざりしたこともあったけれど、基本的には自分の好きなように自分の好きなように物事を学び、それが論理的に整合性のつく瞬間が大好きであった。

私は今大学四年生である。私は高校時代の私と考えは変わっているが、根幹をなす部分は変わっていないと思う。私は就職も、大学院受験もしなかった。しなかったのではなく、出来なかったのだ。これは私が高校受験の時に、先生から、とりあえずこの英単語帳を一冊丸暗記するのは最低ラインだと言われたことができなかったことと等しいと思う。就職も、大学院受験もしなかった自分はこれからどうなるのか、未来のことを考えると不安がよぎる時がある。しかし英単語帳を暗記することができないのなら、BBCニュースを毎日読んで、読解力も単語力も一石二鳥で身につけてしまおうという方法をとっていたように、これからの私もうまい道を見つけてやっていくのかなと思う。これが、ただのいきすぎた楽観視なのか判断する指標はない、しかしこれまで私のしていたことが他の人と違う時点で、他の人と同じことをするわけがないということがわかるし、また、そのようにしかできないのだと思う。私は就職も大学受験もできないから、自分でビジネスをやらざるを得ないんだと思う。

そしてビジネスをやるということはこの資本主義社会においては論理的に整合性が取れていると思われる。一石何鳥であろうか、数え切れないかもしれない。

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