「超」時間管理法(6) カレンダーに「立ち入り禁止区域」を設ける
「超」時間管理法(5) 「超」整理手帳も真っ青?「超」カレンダーで時間を捉えるで、「頭の中にカレンダーを思い浮かべられるようにしよう」と述べた。そこで述べたのは日にちの配置だ。
◇主要な要件を頭の中に描く
これがイメージできるようになったら、つぎに、用件の配置も頭の中に描けるようにしよう。
つまり、今後1月程度の期間については、手帳を見なくても、主要な案件のおおよその配置状況を頭の中に描けるようにするのである。
これは、決して簡単なことではない。用件が沢山ある人は、とくに困難だろう。だから、とくに主要な案件だけを覚える。
一応の目安として、7個くらいにしよう。
もちろん1月間の用事は7個以上あるに違いないが、すべての用事が同じように重要なわけではない。重要な意味がある用件を取り上げよう
私の場合で言うと、書籍の脱稿と、書籍の校正作業である。そして、連載でない原稿の締め切り(連載の締め切りは毎週なので、すぐ分かる)や、講演などだ。
会社に勤めている人なら、定例以外の会議、定例であっても重要な役割が求められている企画会議など。そして出張などだ。学生なら、試験やレポート提出などである。
なお頭の中に思い浮かべる時間のイメージとしては、超整理手帳のパタンがよいと思う。つまり、1週間の中の曜日が縦に並び、そして週が横に並んでいくイメージだ。これは、カレンダのイメージを転置させたものだ。
◇クリエイターに必要なのは、立ち入り禁止区域の設定
これができるようになると、次のことが重要だとすぐに気がつく。
(1)主要な要件をうまく並べ、ある期間に集中したりしないようにする。
(2)準備が必要な案件の場合には、準備期間に他の用件を入れないようにする。
そして、これまでは,必ずしもそうしたことができていなかったことに気がつく。
私の場合でいうと、書籍の脱稿前の最終作業と校正作業には、それぞれ2週間を取る必要がある。そして、この期間には集中した作業が必要なので、なるべく他の予定を入れないようにする。例えば、他の単発的な原稿の締め切り等は入れない。交渉ができれば、日程を変えてもらう。
これによって、重要な案件に十分の時間が充てられるようにする。
もちろん、他の用件を完全に排除して執筆最終作業や校正作業だけに集中することはできない(私の場合で言えば、週2本の連載原稿があるし、noteを始めてからは、この作業にかなりの時間を取られるようになった。誰もが、「さまざまな用事で手一杯」というのが現実だろう)。
しかし、「ここは集中が必要な期間」と意識しているかどうかで、スケジュールの組み方は大きく違うものになる。
以上で述べたことを実現するために、手帳に立入禁止区域(期間)を設けよう。下の写真のように、赤線で記入する。そして、このイメージを頭に記憶しよう。
つまり、手帳は、用事を入れるために使うのではなく、用事を入れないために使うのである。
こうしたことは、とくにクリエイターにとって必要なことだ。
営業担当者であれば、できるだけ多くのアポイントをとることが必要だろう。しかし、クリエーターはできるだけアポイントを作らないようにすることが必要である。
「立ち入り禁止区域」を設け、頭の中ではっきり意識していることが、クリエイターの スケジュール管理において、最も重要なことだ。
「立ち入り禁止区域」をはっきり意識すると、これからの1月が自分にとっていかに貴重な資源であるかが分かる。漫然と1月を過ごすことなど、とてもできなくなる。
時間に流されるのではなく、時間を積極的に使うという意識を持てる。そして、生活が引き締まってくるのを自覚できる。