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経済最前線

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#中米貿易戦争

米中貿易戦争は一時休戦だが、貿易と生産の落ち込みは続く

 米中貿易戦争は一時休戦になったが、高関税は残っている。世界経済の覇権を巡っての争いは容易には収束しない。この影響で日本の輸出は大きく落ち込み、製造業の利益が急減少している。 ◇ 第1段階合意は一時的な休戦に過ぎない  米中政府は12月13日、貿易交渉で「第1段階の合意」に達したと発表した。  その主要な内容は、つぎのとおりだ。  第1に、12月15日に予定していたアメリカの対中制裁関税「第4弾」の発動を見送る。中国も報復関税の発動を見送る。  第2に、アメリカが制裁関税を

米中貿易戦争の行方:トランプの真意はどこにあるのか?

 米中貿易戦争が、歯止めを失って拡大し始めた。  8月23日、中国が報復措置をとり、トランプ米大統領が中国に対する追加関税措置を強化した。  NY市場ではダウ平均株価が大きく下落。また、為替市場では、円高が進んだ。  これまでの追加関税は、元安によってかなりの程度打ち消されている。  今回の措置によっても元安が進行するだろうが、そうなると、中国からの資本逃避が増加する危険がある。  元レートをいかなる水準にすべきかについて、中国政策当局は難しい選択を迫られている。  トラ

貿易戦争を読み解くには、各国の構造の差を知ることが不可欠

 米中貿易戦争がエスカレートし、世界経済に大きな影響を与えている。今後どのように推移するかを判断するには、各国の経済構造の基本を正確に理解する必要がある。 ◇輸出依存度が高い中国は高関税に弱い  第1に輸出依存度を見ると、中国がずば抜けて高い。中国経済は輸出によって成長したわけだし、何らかの理由で輸出が減ると、大きな打撃を受ける。  そのことは、2008年のリーマンショックで実際に起こった。  その後、中国経済は「新常態」(new normal)と呼ばれる構造に移行し、輸出

米中貿易戦争は、今後も収まらない

 8月1日にトランプ大統領が対中追加関税第4弾を発表して、世界的に株価が下落した。  その後、株式市場は一時的に安定を取り戻したかに見えたのだが、8月14日に再びダウ株価が800ドル安と大暴落した これは、今年最大の下げ幅だ。日経平均株価も、15日には一時400円超の下落を記録した。  これは、13日に第4弾の実施を9月1日から12月まで延期するとした直後のことだ。マーケットは、「これだけでは米中貿易戦争の状況が改善したとはいえない」と判断していることになる。  景気後退