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織田 由紀夫
2024年1月7日 07:53
1 「ありがとうございました」 閉店間際に来る、彼の名前を私は知らない。一杯のコーヒーを求めに彼はやって来る。彼が何処に住んでいて、何をしているのかさえ分からない。只、一つ分かっている事がある。それは、私が彼に恋をしているという事だった。 私の名前は、美香。淡々と高校を卒業して、近くの大学へと進学し、単位を取る為だけに通っている。友達はみな、彼氏が居る。勿論、私