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栗の木の花はパラパラおちる

日曜日は子どもたちと公園でたっぷりゆったりと過ごした。
先日、とある事情で子どもたちの動物園タイムを急きょ中断せざるを得ない、という出来事があったばかりだったので(これは後日したためます)、今日こそは!気が済むまで!遊ぼう!と勇んで出かけた。
めざすは、近所の広い芝生の公園。
ちなみに夫はここ最近の分散勤務のため、土日出勤で不在。

弁当は、朝から張り切ってこしらえた。
肉巻きポテト&にんじん。ゆでブロッコリーにウィンナー。
おにぎりは、しゃけ、こんぶ、ゆかり。
デザートは、ぷるんと。おやつにポテコを忍ばせた。
紫外線対策のまあるいテントと帽子と日焼け止めクリーム。
お茶は水筒3本。
まさしくやる気充分!!!である。

本当にいいものですね、五月晴れ。家族連れ。子どもの声。
公園のはじっこにチョコンとはったテントの中から、体いっぱいに走り回る子どもたちを見守っていると。
「パラ・パラ・パラ」とかすかな音がする。
見上げるとテントの上に、栗の木の花が降り注いでいる。
白くて、小さなお花。雪みたい。
秋の実りに備えて、こうして初夏に咲いて散るのだね。

パラ・パラ・パラ・・・

3月からの生活は、いろんなことを中止にして、延期にして。
あきらめて、がまんして、気をつかって、すりへって。
孤独を感じて、ピリピリして、不安だった。
影響の少なかった私にとってさえ、【曖昧で断続的な喪失】だったかもしれない。

パラ・パラ・パラ・・・

こうして今、子どもたちが元気で笑っていること。
今のところ体調の不安もなく、痛いところもない。
キャンセルになったものもあるけど、細々と仕事があって、休みがあって、質素だけどごはんが食べられる。
【喪失以前】には、こんなにありがたいことだと思わなかった。

今も、どこかで【はっきりとした喪失】に打ちひしがれている人がる。
笑えない、体調に不安がある、痛いところがある、仕事がなくなった、休みがない、ごはんが食べられない。大切な人を失った。
それがたまたま自分に起こらなかっただけ。

パラ・パラ・パラ・・・

花満開の、大きな栗の木の下で。あなたと私。

子どもたちは、さすが、と言っていいものか。
公園での時間になかなか飽きなかった。
私も、気が済むまで!と言い切ったので仕方ない。
最終的には午前中から夕方まで6時間の滞在となった。
くたくたになったのは私ひとり。
日ごろの運動不足を微塵も感じさせない娘と息子。
それでも、おやすみなさいからの寝つきは早かった。

さぁ。もうすぐ学校再開だ。また色々大変かもしれない。
私は、とにかく笑顔でいよう。

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