おかわかめで絵手紙を描く女性の話
おかわかめについて、なんだか、すごく熱くなる人々に出会ってきました。
初対面でおかわかめ座談会を快諾してくださった鹿児島大学の志水先生と中野さん、今年育て始めて出荷&収穫イベントまで実現した宮崎の農家・甲斐さん、私の提案でおかわかめシフォンをメニューにしてくださった喫茶紙風船の柴立さん、おかわかめでテレビに出ちゃった志布志の農家・花北さん…。
おかわかめ狂とでも言いましょうか。みなさん、おかわかめを語り出すと、なんか、「良い子良い子」と孫の話でもするように楽しそうで、こっちがくすっと笑ってしまうくらいです。
そんな出会いがまた一つありました。鹿児島市で、おかわかめを絵手紙にするマダム、Sさんです。今日はSさんのことを書きます。
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新聞の読者欄に[オカワカメの花]
私がSさんを知ったきっかけは、10月14日の南日本新聞朝刊5面。読者がイラストや文章を投稿する「ひろば」欄に、なんと、[オカワカメの花]と題した絵が掲載されていたのです。
これを発見したときの私のテンションの上がり方と言ったら!!!
だって、まず、そのへんに白くて小さな鈴なりの花が咲いていたとしても[オカワカメの花]ってわかる人っていないでしょう。次に、[オカワカメの花]を知っていたとしても、わざわざ絵を描いて新聞に投稿する人っていないでしょう。そして、紙面を見て、「わあっオカワカメのお花だわ♡」って思う人も、私以外にはそういないでしょう。
ちょっとちょっと、ミラクルとしか言えないでしょう!
その紙面の絵の下には、作者の[氏名・年齢(Sさん・72歳)、鹿児島市、主婦]と書いてあります。もう、私の心は新聞紙を突き抜けて、鹿児島市に住む72歳主婦のSさんとぴーーーんっ!と通じ合ったのです(勝手に)。
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絵手紙マダムSさん
1カ月後の11月14日、私はSさんと念願の対面を果たしました。
年の差45歳のSさんと私は、たっぷり2時間、Sさんが立ててくださったお抹茶と柿をいただきながら、おかわかめや互いの人生のこと(それに私の婿の妄想まで)を語り合いました。
想像の一助のために補足すると、Sさんは、「奥様」と呼びたくなるような、絵手紙、お花、お茶…と趣味特技多彩で品のある方。かつ、「女社長」とも呼びたくなるような、知的でビジネスのご経験もある方です。
新聞記事を見て、花を楽しみにしていた「ベランダに、何か食べられるものを植えたい」と思っていたSさん。今年の春、鹿児島市勤労女性センターで、「サラダで食べられる」と売られていた、オカワカメの小さな苗のポットをひとつ、50円で購入したとのこと。
その後、7月に私が南日本新聞に書いたおかかめの記事を「よーーーく読んだ」というSさん。「小さな白い花が咲く」との1行を見て、「いつ花が咲くのか楽しみにしていたの。ある日、すっごくきれいな花が咲いてこれか!と感激。すぐに絵を描いて新聞に投稿したの」と話してくれました。
(㊤Sさんの絵 ㊦おかわかめの花)
顔彩という画材も見せてくださいました。”おかわかめ色”は二つの緑色を合わせて塗ったそうです。
おかわかめの剪定をご一緒に
「友人に欲しいと言われて…。このお花をあげて土に蒔いたら芽が出るのかしら」
とドライになったおかわかめの花を大切に取り置いていたSさん。しかし残念ながら、ドライフラワーではおかわかめは殖えません。ベランダのおかわかめを見せていただき、「このムカゴを分けて植えると殖えます!」とお伝えしました。Sさんは「ドライフラワーをあげる前に知ってよかった!」と大笑いの大喜びでした。
ついでに、ドライフラワーぶら下がりまくりのおかわかめの剪定も一緒に。「おかわかめの花は、枯れてドライになっても、落ちずに何年もぶら下がったままだから、花を一通り楽しんだから伐っちゃったほうがいいですよ」とお伝えしました。
ビフォー
アフター
(ちょっとすっきりしたの、わかります?)
おかわかめで香を焚く
Sさんが茶香炉を焚いていたのを見て、私は「おかわかめの花で、お香できないですかね?」と提案。Sさんもノリノリで「やってみましょう!」と、刈り取ったおかわかめの花を細かくちぎって香炉の皿に載せていきます。
が、しかしー。
おかわかめのドライフラワーはよりドライになるばかりか、焦げて、
香りは立たず-。
おかわかめ香大作戦は失敗に終わりました。
が、しかし-。
Sさん:「わたし、いいことを思いついたわ!生のお花をネットにいれてお風呂に浮かべたらいい香りがするんじゃないかしら」
私:「おかわかめ風呂ですね。また来年のお花のシーズンですね」
Sさん:「楽しみが増えるわねえ!」
と楽しそうな2人でした。
* * *
「おもしろーい、おもしろいわねえ!今日は良い日になったわ」
とSさんが何度も言ってくれて、私もとても楽しかった、11月の土曜の午後でございました。
そして、
「決めた、私が新聞にまたおかわかめを描くわ」
とSさん。
新聞の「ひろば」欄で再び、「オカワカメ」とSさんのお名前を見られる日が楽しみです。
11月も後半です。今週もごきげんよう!