短歌
短歌に興味を持ったのは二十歳のころ。友人に勧められて穂村弘さんの歌集を読んだのがきっかけだった。面白そうだと思ったし、スマホがあればいい。移動中でもどこでもつくれる。そう思って張り切って初めたはいいけど、何首詠んでもコツというか勘がわからなくてやめてしまった。
そして障がい者になってからまたはじめた。その頃はなんの楽しみもなかったから、いまの気持ちでも詠むかみたいな感じだった。それからは夢中になるでもなく飽きて放り投げるでもなく淡々と続けている。
短歌は僅かな言葉で描写する訓練になると思う。制約があるし、自由にとはいかないけど、小説が動画なら短歌はカメラで撮った1枚みたいなイメージ。それで物語性を出すことができる。
半年ほど前にいままでつくった短歌を集めてみたら三百首ほどあった。自分でもびっくりした。じゃあこの中から自分でもいいと思うものを百首集めようと思って選んだ。それをいつかnoteに発表しようと思っていたのだが次第に気持ちがだんだんと薄くなってしまい、結局お蔵入りになった。
つい先日、ようやくそれを出そうかという気持ちになったら途端に凄い歌を見せられて一気にやる気がしぼんだ。挫けてしまった。
その代わり57577というアプリでこつこつと発信することにした。noteに創作物を書くことを休んでいる間は毎日短歌を詠むかもしれないし詠まないかもしれない。
そういえば三羽烏さんが主宰された百人一首のコンテストで秋の部で一位になったことがあった。だからそれほど才能が無いわけじゃないんだろうと思って自信を持とうと思う。
この24時間で57577に発表した短歌はこんな感じです。
ぼくの首湿らすきみの熱い息床に散らかるきみの制服
(お題は服)
「たまにはさズル休みしてあそぼうよ」布団のなかのきみの誘惑
(お題は布団)
信号の青が照らしたアスファルト好きというなら今しかないのに
(お題は信号機)
僕たちの恋は回転木馬のよう追って追われてひとり乗りのまま
(お題は馬)
窓の外かがやく銀河照らし出すベッドの上の僕らの秘め事
(返歌)
天の川対岸にいるあの人に愛していると届け言霊
(お題は霊)
さっきまで舐めてた飴の味がしたミントの匂いのきみの唇
(お題は飴)