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ズッキーニとカニカマのグラタン
まだまだ寒さ厳しい2月上旬のこと。
それは突然の出来事だった。
時間は朝の9時を過ぎた頃。私は普段通りに出かけた。車を走らせて10分もかからない、いつもの場所に車を停めるといかにも慣れた風にその店の中に入った。店内は平日午前中の常でやや閑散としている。あてもなく店内を一回りしてみようと足を踏み出したその時、ふいに目の前に現れたのだ。
まさか今頃ここで会うことになるなんて…
彼は「やぁ久しぶり。元気だったかい?」と朗らかに声をかけてくる。恥じらう素振りもなければ、悪びれる様子などもちろんない。変りばえのない日常の中で交わされる、特別な意味など微塵もない挨拶といったふうだ。
「えっ⁈あなたなの?」私は驚きのせいでまともに言葉が出ない。
「そうさ。僕だよ。もっともあの頃とは少し違ってるかもしれないけどね」
たしかに、、ちょっと瘦せたかもしれない。肌色も心なしかくすんでいるように見える。
あの頃。
何も疑うこともなく一緒にいられた。このままずっと一緒にいるのだろうと何の憂いもない未来を思い描いていた、あの頃の彼とは、、もう別の人なのだ。そして私も。私も変わってしまったのだ。
あの時の私達はもういない。どこを探したって見つかりっこないのだ。
いえね、先日見かけてしまったんですよ。いつも通っている最寄りスーパーに行きましたらね、やや細めの緩やかな曲線を描く緑色のボディ。そう、夏野菜の代表選手ズッキーニくんと。いやもう軽く驚きましたね。こんな真冬に出会えると思わなかったので。暦の上では春と言ってもね。
で、つい買っちゃいました。久しぶりに見かけて嬉しかったというのもあるし、たまには夏野菜で何か作るのもいいかなって。
ズッキーニにパプリカ、この季節にはまず使わない食材を用意して。そして作るのはやっぱり体が温まるものがいいかなってことでグラタンに決定。
それでは簡単に紹介していきます。
まずは材料。ズッキーニとジャガイモは長さ5㎝ほどのくし切りに。パプリカは細切り。玉ねぎは3㎜スライス。ウィンナーソーセージは小口切りに。
大きめのフライパンにオリーブオイルを熱して、切ったズッキーニ、パプリカ、ジャガイモを炒めはじめます。全体に油が回ってきたところで、
玉ねぎとウィンナーを加えてさらに炒めます。
塩コショウをふって、
ここに水を適量加えて、野菜に火が通るまで煮ていきます。
次に牛乳を加えて、
卵をひとつ落としてかき混ぜます。さらに水溶きコーンスターチを加えてとろみをつけて、
耐熱皿に移したところでちょっと思いつきましてね。バターも小麦粉も使わないあっさりベシャメルなので、具材でもうちょっとボリュームを加えようかなって。軽いソースに夏野菜、ここに合わせるのならこれなんかどうだろうって、、
そう、カニカマちゃんです🦀
大きめのカニカマを一本丸ごとのせてみました。
そして何事もなかったかのようにミックスチーズを適量のせて、200℃に温めたオーブンで20分程焼きます。
焼けたのがこちら
夏野菜の熱々ほくほく(⁈)グラタンです。
ズッキーニは崩れるほどトロトロというわけではなく、適度な食感を残しながらもじゅわっ~と柔らか。見えてないけれどカニカマも主張しすぎず程良い存在感を放っています。ジャガイモのホクホク感とウィンナーの旨味も効いてます。
久しぶりに頂いたズッキーニ。ずっと食べてなかったからでしょう、どこか懐かしい味わいでした。夏になればまた一緒に過ごすことができるのかしら。あの頃とは違う私達でも...
夏野菜をグラタンにするのもわるくないなぁと思った2月立春の候。
少しずつですが春が近づいてますね。
今日もお読みいただきありがとうございます。
それではまた。