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点と点がつながる瞬間――Emotional Intelligence(1)

前回のnoteでは、日本とメキシコとの「意思表示の違い」について書いた。

感情表現の違いを知ることで、芋づる式に色々思い出すことがある。そこで掘り出されたキーワードが"Emotional Intelligence"。

今回は前半にEmotional Intelligenceについて。続く後半で、各国のEmotional Intelligenceについて考察したい。


最近、コミュマネゼミ生間の情報共有でシェアされた「エモーショナル・インテリジェンス」の言葉。また、去年の8月、SWY31で同じディスカッションコースだったと初めて日本国内で会って遊んで、色んな思い出や近況を語る中で出てきた言葉――。

14分あるんだけど、SWYを文字で説明するよりいいかなと(笑)

Emotional Intelligenceとの出会い

2019年1月末から3月初めまで、船上で「教育」をテーマにしたディスカッションコースに参加していた。コースのファシリテーターはペルー人の大学教授で学習障害のセラピストの資格も持っている。彼の専門は教育学。言語教育、スペイン語教育のほか、「Emotional Education(感情教育)」の資格も持っていた。(大学4年で参加した当時は彼のキャリアの凄さをあまり理解していなかった…。)

コースのタイトルは「平和な世界をつくるための教育」。その中のキーワードに"Emotional Education"があった。

改めて調べてみると、「感情教育」はウェルビーイングの向上につながるんだって。

感情教育を通じて”Emotional Intelligence(=以下EI、感情的知性)”を高めることができる。では、EIって何?

Emotional Intelligenceとは

人間の感情を識別し、理解する能力のことです。自分自身だけでなく、他者と仕事をしたりコミュニケーションを図る際に、この能力を使います。高いエモーショナルインテリジェンスを身につけることは、職場で人間関係を築き、タスクを完了し、目標を達成するのに役立ちます。

indeed「エモーショナルインテリジェンスとは?

Emotional Intelligenceは、どんな能力で構成されているんだろう。

  • 自己認識力:自分の感情がどのような状態にあるのか、また、自分の感情が行動に与える影響を把握し、受け入れることができる。それによって自分の長所や短所についての理解を深めることができる。

  • 感情をコントロールする能力:あらゆるストレスに対応できるほか、コミュニケーションや時間管理、問題解決ができる。

  • エンパシー(=共感力):自分が求めるものだけでなく、他者が求めるものを理解することを通じて、人とのコミュニケーションで重要なキーポイントが分かる。

  • 人間関係を維持する能力:相手に伝わるように話すことを意識したり、自分の言動を通じて相手に良い影響を与えたりすることができる。

あれ、学んだ記憶がないぞ

あらゆる教育の核となるのは、家庭と学校だ。ウェルビーイングの向上につながる感情教育は重要なトピックのはずなのに、どちらの環境でも、上述した4つの能力について具体的なフィードバックを受けたことがない。

「そんなことで泣かないで!」「怒ったって仕方ないでしょ?」とは言われてきても、「悲しみを表現できて素晴らしいね」「それってどんな怒りなの?」なんて言われて育たなかったな。

そりゃあ、EIが育たないのも無理はなさそう。
おまけに、私は18年間、ほぼ同じ家庭及び学校環境の中で育ったから、生徒間の差も少なかっただろうし、フィードバックのしようもないか。

Emotional Intelligenceが伸びたきっかけ

振り返ってみると、私のEIはSWY31の経験を通じて大きく伸びたような気がする。あの時の自分より強くなりたい、そう思えたのがきっかけ。

約50日間の船旅。後半の活動では、英語が壁になった。日に日に自分に自信が持てなくなり、やる気が出なくてどうしていいか分からなくなった。自分の感情が分からない。

ディスカッションでは、相手が何を言っているのか一部でも分からないと、思考が停止してしまい、ついていけなくなった。意見を求められても聞き取れないから返答できず、ファシリテーターの顔を見ると涙が止まらなかった。

他の参加者とのコミュニケーションを恐れ、だんだん話さなくなった。どんどん起きることができなくなり、ミーティングやディスカッションを寝過ごした。

英語という外国語に囲まれて、一気にEmotional Intelligenceの不十分さにぶち当たった気がする。これまで比較的壁なく生きてきた人生が一変したのだと思う。

SWY31以降も、時折Emotional Intelligenceの不足を感じる経験をするけど、あの時のショックほど大きかったものはない。自分の中で「異文化」「未知」に触れるたび、自分のEmotional Intelligenceを育んでいる。多分、生きている間はずっと続く、生涯教育だ。

なぜ今思い出す?

POOLO5期にコミュマネとして参加していて、自己理解のフェーズを伴走していると、毎日EIの4つのスキルについて考える機会があるから。自分自身も「ここが強みかも」「ここはまだ伸ばせそう」など、日々試行錯誤している。そんな環境から、ふと点と点とがつながった。

また、今メキシコに住んでいて、コミュニケーションのかたちに日本との差を感じるから。私はある程度「国民性」があると信じている。では、各国でEmotional Intelligenceの特徴に差があるのか?

次回は「複数国のEmotional Intelligence」について、自分の知見で説明!するぞ!

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