和綴じで歌集を手作りした話
こんにちは、雪乃です。以前から度々歌集を和綴じで作りたいと書いていたのですが、今日ようやく完成しました。
データ編集は終わっていたので、今日はまず刷るところから始めました。普通の紙に試し刷りをしたあと、こちらの紙に印刷。
インクジェットプリンター対応の和紙です。印刷したらこんな感じになりました。
目次です。これを全ページ分印刷したあと、袋綴じにするために折りました。
いつもより値段が高い紙を使っているので慎重に作業していたつもりなのですが、印刷してから誤字を発見するいつもの流れを2回やりました。良い紙を前にしても人間は愚か。
本文を重ねたものです。B5の紙を半分に折ったのでB6です。
あと、製本作業に入る前に題簽(本のタイトルを書いた紙)を作ります。
パソコン画面を紙に透かして大きさを調整するという力技をやりました。
ちなみにタイトルは「晨星歌集」。和綴じなので漢字+歌集の方が合うかな?と思ってネーミング辞典を見ながら決めました。「晨星」は「夜明けの星」という意味で、数が少ないという意味もあるそうです。歌数がかなり少ないので、そっちの意味も踏まえて決めました。
本文が出来たら表紙と裏表紙を作ります。
表紙にはこの紙を使います。商品名は「凪」でしたが晨星というタイトルにも合う色味だな〜と思って購入しました。
A4だったので半分に切りました。左を表紙、右を裏表紙にしたいと思います。
折り目をつけた少し厚めの紙を表紙と裏表紙の補強として使います。この紙、サークルで使ったものの余ってしまい、以後私の実家に置きっぱなしになっているものです。使い道があって良かったです。
四隅を切って貼り合わせます。
余る部分は内側に向けて折ってから、
上に白い紙をさらに貼りました。
穴を開ける位置を書いた紙を本文の束に重ね、クリップで留めました。穴をあける位置ですが、一番上と一番下は上端と下端からそれぞれ1.6cm、真ん中の三つは穴と穴の間隔がおおよそ5cmになるようにしました。
穴と穴の間隔ですが、
こちらの私がデパートの古本市で買った大正時代の歌集の大きさを測り、比を使って計算しました。まだ自分が比の計算方法を覚えていたことに驚きです。
錐を使って穴をあけてみました。錐は100均で買ったものです。ちなみに私はここまでの過程で母の文具コーナーから勝手に持ってきたカッター板を使っていたのですが、流石に錐はまずいんじゃねと思ってダンボールを下に敷きました。
同様に表紙と裏表紙にも穴をあけ、本文に重ねます。紙がズレるのが面倒だったので、まち針を一番上と下の穴に貫通させて仮留めしました。まち針はクリップで挟んだら外しました。
ここからようやく綴じる作業に入っていきます。
糸はある程度強度がありそうなものが良いなと思ったので、ボタンつけ糸にしました。
綴じ始めたあたりです。写真の時点では2本取りでやっていたのですが、糸自体に割と太さがあるために却ってやりづらくなってしまい、一度糸を切りました。1本取りにして再挑戦します。
一本取りにして綴じ直しているところです。この後実は4、5回やり直しているのですが割愛します。
先程作った題簽を切って表紙に貼ります。
色々(※)ありましたが、完成しました!題簽を貼るとぐっと本らしくなりますね!
※:糸の長さが足りなくなってやり直したり、微妙に穴の位置がズレていたせいで指貫を使って強引に針をぶっ通したことなど。
開くとこんな感じです。ここまで長かった……!
人生で初めての歌集なのですが、感慨よりも大変さが上回ってしまい、今はそこまでテンションが上がってなかったりします。本作るってこんなに大変なんですね。
あと、喜びよりも反省の方が多いです。今回コンビニのプリンターを使わずに袋綴じをやりたくてB6にしたのですが、やはりB5で作るべきでしたね。めちゃくちゃ根本的な問題ですが。大きさが中途半端だと穴の位置がうまく取れずに大変でした。また、今回は表紙と本文を別々に穴をあけたのですが、ページ数もあまりなかったですし、やはり一度で穴を開けるべきでした。加えて、穴はかなりしっかり目にあけたほうが綴じるときにやりやすいですね。同じ穴に複数回針を通すので、穴が小さいとやりづらいです。
何度も綴じ直しているうちに穴が広がってしまい、玉結びが抜けてしまうこともありました。一度広がった穴は元には戻らないという、人間関係の教訓みたいな知見を得ました。
綴じる上で肝心の糸ですが、穴に通すたびに締めるという作業をしないと途中で緩んでしまいました。穴が綺麗に揃っていればもっとやりやすいのだと思います。次から気をつけます。
和綴じは書誌学の授業で一度やったので今回が2回目だったのですが、当時は穴をあけるところはやっていないんですよね。後でB5でコピー用紙を使ってもう一度やってみようと思います。
反省点も多々……というかもう反省点しかありませんが、何だかんだで楽しかったです。それでは私はこれから机の片付けに入るので失礼します。
本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。