冬はにごり酒でしっぽりと
お酒は20歳からのはずなのだが、我が家は、正月のみ甘酒をなめるのを許された。
あったかくてほんのり甘くて、米のつぶつぶ感があって、おいしい~っと指ですくってはなめなめしていると、そのうちのどの奥がか~っと熱くなって、ふわふわっと気持ちよくなったのを覚えている。
体が熱くなった時は一歩外にでれば極寒。一気によいも覚めたものだ。
さぞかし、日本酒好きな女に成長したのではと思われるだろうが、20代のころはビールを飲んだり、ワインなんてシャレたものを飲んで、日本酒には見向きもしなかった。
が、時がたつにつれて、量より質、肉より魚になってくると、日本酒がおいしく感じるようになった。
寒い冬にぺろりとなめるようににごり酒を飲むと、冬が始まるよ♪~と歌ってしまうのである。
にごり酒は通年店頭におかれいつでも飲めるのだが、日本酒だって四季を味わえるのだ。
春は新酒、夏はすっきり味の酒、秋はなんといってもひやおろし。そして冬は熱燗とにごり酒、もしくはどぶろく。
四季折々の日本酒の味わい。これを知ると通年飲みたくなってくる。
ひやおろしとは、冷たいという意味ではない(←そう思っていた)
新酒の熟成版だ。
春の新酒に火入れして、夏は涼しい蔵のなかでおいしくなるときを待つ。そして、おいしくなったな~という9月から11月頃に出荷されるのだ。
今は9月でも真夏のような暑さが続くが、江戸時代の9月は、蔵の気温と外気温が同じくらいになることから、常温(冷や)で卸すということで、ひやおろしというのだそうだ。
これがまあまろやかなんですな。飲めば飲むほどまろやかさが体に染み入る。
ちなみに写真の「んめごど」は秋田弁でおいしいの意味。
いや、まじでうんめがったす!
今年はにごり酒とどぶろくをゲット。
右側の一滴千両は秋田駅をうろついているときにたまたま発見。
ラベルがかわいらしすぎて、味もきっとかわいらしいんだろうなと思い、買うかどうか躊躇していたのだが、「限定」の二文字につい買ってしまった。
大吟醸酒を30%ブレンドしているだけあり、かなり甘め。でもこの甘さが寒い夜を甘くしてくれるというか、いい甘さ。この甘さが贅沢な気分にさせてくれるんだから不思議。
秋田駅前にいった目的は、最近、道の駅などでおしゃれなパッケージの発酵マヨネーズなんかを売っている男鹿にできたクラフトサケ醸造所の「稲とアガベ」のどぶろくをゲットすること。
さてさて、ここで、「にごり酒」と「どぶろく」って何が違うのよという方のために簡単に。
にごり酒は濁り酒と書く。もろみをあらごしたお酒
どぶろくは濁酒と書く。もろみをあらごしせずにそのままいれるお酒
どちらも製法は一緒。しかも、漢字もほぼ同じ!これ、発見したとき、みんなに自慢して歩いたものだ。皆さんも忘年会のネタに使ってくださいまし。
最初はさらりと飲める、にごり酒のほうがお好みだったが、もろみのつぶつぶ感が次第に病みつきになり、にごり酒よりどぶろく好きになってきた。
あちこちで、
「おいしいどぶろく、ないかぇ?」
と聞いていたら、友人が教えてくれたのが「稲とアガベ」。
HPみるとわかるのだが、若い人たちが立ち上げた会社で、着ているはんてんも水玉っぽくておしゃれ。
若い人が頑張っているというだけでも、買ってあげたいと思うし、友人はおいしいというし、ラベルもシンプルでおしゃれだし、買わない理由がない。
稲とアガベの経営理念は「男鹿の風土を醸す」
1つは男鹿の風土をそのまま瓶に詰め込んだお酒造り
2つめは男鹿という地域を多くの人々がワクワクするような場所にすること
この二つを実現するために、お酒造りだけでなく、お酒と一緒に楽しめる飲食店や宿泊施設にも挑戦していくのだそうだ。
地元愛に乾杯。知名度も徐々にアップしているようなので、今はまだ男鹿といえばなまはげだが、いつの日か男鹿といえばアガベといわれる日も近いかもしれない。
本題に戻し、稲とアガベのどぶろくの味わいは・・・濃厚な味わいの中にほんのり甘さが感じられ、あとからなぜかフルーティーな味わいが押し寄せてくる。アルコール度数も高いからそうそうがぶがぶは飲めないのがさらにいい。
おつまみつまみに、ちょろちょろっと舐めるのにぴったり。
ちなみに、普通は瓶を逆さにして、上のクリアな清酒の部分と白いにごり(おり)と呼ばれる部分を混ぜ混ぜして真っ白い状態で飲むのがセオリーなのだが、あえて、清酒だけ、おりだけと楽しむのも面白い飲み方。
清酒はいつも飲んでいるものよりもとろ~り、おりは、さらにどろ~りでのどに後味が残りまくりで濃すぎるくらいだが、おりを飲んだあとに、白湯を流し込んだりすると楽しい。
冬はやっぱりにごり酒、もしくはどぶろく!
正月はこたつにはいって、朝からおせちをたべ、にごり酒をぺろぺろするのが至福のひととき。あ~今から待ち遠しい。
今日も読んでくれてトダ・ラバ(ヘブライ語)