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試食し放題
昨日までのブータン旅行記はこちら。
ゲレプ到着までもすったもんだあり、初めてのチュキの家で大騒ぎをし、ゲレプでの押しに出会い、押しが作ってくれたおいしいランチに満足し・・・いつのまにやら寝てしまった。
ゆっくりしながら、2018年度版の地球の歩き方を読んでいたはずだった。
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朝早かったのと、興奮しっぱなしだったのもありこのソファでこてっと寝てしまったのだ。窓から入ってくる微風と温かい日差し。これで寝ないほうが奇跡だ。
そんなこんなであっという間に2時。チュキも昼寝しているらしく、物音ひとつしない。ということで、そ~っと下に行って、押しのニマを探してみるも、お母さんもニマもいない。
地球の歩き方にはゲレプの地図もなければ観光名所はひなびた温泉?有益な情報は何もない。しかも、空港から車で連れてこられただけだから自分が今どこにいるかもわからない。けど、始めてきた土地をうろうろしたい好奇心を押さえることができず、通りに出てみた。
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ティンプーにはなかった東南アジアの田舎道といった雰囲気。東南アジアというよりインドの国境がすぐ近くと言っていた通り、インドの田舎道に続く道という方が正しいかもしれない。
行きかう人も目鼻立ちがぱっちりしたインド人が多い。ブータン人は日本人と似て平たい顔族が多いから、インド人との差は歴然。ネパール人はインド人に似ているけれど、目の大きさに負ける。
まとめるとこんな感じだろうか・・・
インド人:顔が猛烈に小さい。目が大きい。手足が異常に長くて細い。肌の色がかなり濃い
ネパール人:目が大きいけど、インド人よりは顔が小さくない。
ブータン人:平たい顔族が多い。ぽっちゃりめが多い
ティンプーでは民族衣装を着たブータン人ばかり見ていたから、多民族村のゲレプは人間ウォッチングが楽しい。
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赤いお帽子をかぶっているおじさんはインド人に違いない!なんて思いながらその場でただ立っていた。カメラ片手に行きかう車と人を見ていると、みんな通りすがりに、にこっと笑ってくれる。特に遊んでいるちびっこたちがにこっと笑顔で通過していくもんだから、ついこちらもにこっとして手をふる。
まだこういった人と人とのふれあいが残っていたんだなと温かい気持ちになる。特に都会にいる人々は、スマホを見ながら歩いていて、興味があるのはスマホで見られるもの。目があってにこっとした日にゃ、変態と間違われるかも?と思っているのはわたしだけかもしれないが、基本知らんぷり。
久しぶりの海外、久しぶりの一人旅というのもあってバックパッカー時代を思い出した。ただ、インドはにこっとするとちびっこがついてきて、手を差し出して無言の圧力で「金くれ」と強烈な目力で訴えられるから逃げるのが大変だった思い出しかないが・・・
だれかれかまわずに「ハ~イ」と笑顔を振りまくのが楽しくなってきて、いろんな人に手を振っていたら背後から声を掛けられた。
「何してるの?いないから心配したよ」
ニ~~~~~マ~~~~~~。押しが心配して探しに来てくれた模様。思わず抱きつきそうになったがまだそこまでの間柄じゃないのでぐっと我慢した。
「チュキはまだ仕事があるんだって。行きたいところがあれば僕連れて行ってあげる」
行きたいところね・・・ガイドブックに何も書いてないし・・・
「初めてだから町中に行ってみたい」というと指をさしながら
「すぐそこが街中だけど?僕、これから市場に買い物に行くから一緒に行く?」
と誘ってくれたのでもちろん二つ返事でOK。
財布とかばんを持ってきたニマとてくてく歩くこと3分。ほんとに町の中心地に家があった。
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ゲレプ市場とでもいうのだろうか。すぐ隣に新しい市場を作っているらしく、ここはもうすぐなくなるのだそう。
お店はかなりあるが、人はあまりいない。こういった市場にいくといつも思うのだが、売り切れなかった場合、持って帰るのか?それとも保管場所があるのか?この蒸し暑い市場の中に置いておいて傷まないのかと心配になる。
野菜はニマにまかせておいて、やはり南国にきたらフルーツ!
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パイナップルがすこぶるおいしそうに見える。買って帰ろうかな~と手に取ろうとした瞬間、真っ赤なスイカを発見!
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カット売りなんて珍しい。こういった市場は一個丸ごとなのに・・・と見つめていると、ニマがやってきた。
「食べていいよ」
ど、どいうこと?という前に、ラップを外し、手でパキッと半分にし、渡してくれた。試食としては大きすぎるだろと思いつつも、スイカ汁がしたたるさまをみて、我慢できずに一口。
見た目はあんなに美味しそうだったのに、ただの水を食べているような味気無さ。スイカのような味はするもののきゅうりっぽさが残る。
「家で食べたい?」と聞かれたが、もちろんNO!
こんなに試食したのに買わないのは失礼かと思いつつも甘くないスイカを食べる気が起きなかった。
次はパパイヤ。
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パパイヤジュースは好きだが、フレッシュのまま食べるとねろっとしていてそこまで好きではない。が、見ていると食べたくなる。
「食べてみたいなら、自分で食べたいだけカットして」
セルフサービスのようである。ということは誰でもかれでもべたべた触ってカットしているということで、衛生的にどうなんでしょ?と思わざるをえないが、ここで引き下がるのは女じゃない!となんのプライドかわからんが、ひとまずほんのちょっぴしカットして食べてみた。
パパイヤの味はするものの、やはり甘味が足りない。
日本のフルーツ栽培が高度なおかげで、糖度が高いフルーツに舌が慣れてしまい、普通のフルーツでは満足できない舌になってしまったようだ。
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この魚も試食していいよと言われたがこれは一体?!
「僕は魚が嫌いだから食べ方はわからない」
わからないのに試食をすすめるとは何事ぞ。そもそもこのまま食べるのか?謎すぎるドライフィッシュ。見れば見るほど気色悪く、美味しくなさそうなドライフィッシュ。家に帰って、チュキに写真を見せたら、いや~な顔をして、
「食べ方なんて知らないわよ。魚嫌いだもん」
「日本でお寿司食べてたじゃない」
「お寿司は好き」
「あれも魚だけど」
「フレッシュな魚は好き。ドライフィッシュは嫌い」
わからない。要はおいしくないということなのだろうが、だったらなぜあんなに大量に売っているのだ?いまだに謎である。
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