見出し画像

コスモスよりも菩薩を

一生かかってもすべてみることはできないといわれている正倉院宝物。

毎年行こう、行こうと思いつつ四半世紀、ようやっと初めていってきた。鹿のうんこちゃんを踏まないように気をつけながらなんとか奈良国立博物館の前に到着し、中に入ると・・・予想以上の人・人・人。さらに予想以上の宝物の小ささに驚くとともに、小さい宝物に人が群がるものだからまったくもってゆっくり見られない。

それでもせっかくいったのだからと必死にすべての宝物をみて、解説文を読み、ぐったり疲れてしまった。正倉院展グッズもいろいろ気になるものがあったが長蛇の列であきらめ、宝物を見に行ったのか、人にまみれにいったのかわからず、お茶しようと思うも、これまた長蛇の列。

奈良って鹿は多いけど、人はこんなに多くなかったのに。恐るべしインバウンド需要である。

ランチするにもお茶するにも並ばないといけないのなら、コンビニでいいやと奈良県庁に入っているセブンイレブンにいったらここのイートインコーナーもいっぱい。考えることはみな同じである。

仕方ないので奈良県庁前のベンチに座り、サンドイッチをほおばる。せっかく奈良まできたのにこのまま帰るのも味気ないな・・・と奈良市観光協会のイベント情報をチェック。

すると般若寺のコスモスが満開というではないか。

奈良県庁から徒歩30分。いけないでもない。と早速てくてくと歩いてみた。

日本人のわたしでさえ知らなかった般若寺に外国人観光客あり。もはやどこにいっても外国人観光客ありである。とはいえ、東大寺の大仏周辺よりは人が少なく歩きやすい。

コスモス寺と言われているだけありコスモスもいい感じで咲き誇っている。

正倉院は聖武天皇ゆかりの品などの宝物で、般若寺は聖武天皇が平城京の鬼門を守るため「大般若経」を基壇に納め卒塔婆を建てられたのが寺名の起こりとされるとあり、本日は聖武天皇めぐりのようだななんて思う。

今はやりのインスタ映えする花手水もスタンバイ。

水に浮かべるだけでなく、ガラスの器にビー玉をいれて色に変化をつけたり、階段に並べたりと流行りにのっていこうと頑張っているのがみてとれる。

インスタ女子には魅力かもしれないが、やはり野に咲き誇るコスモスのほうが見ていてあきないし、風にゆらゆらゆれるコスモスのほうが美しい。

コスモスもいいが、せっかく来たのだから般若寺ご本尊に手を合わせねばと、靴をぬいで本堂の中へ。

薄暗い中にたたずむ菩薩さまは凛として力強い・・・と見入っていたのだが、暗がりの中でもわかるごちゃごちゃ感。暗がりでよくはわからないが、箱のようなものや掃除道具があちゃこちゃに散らばっている。

しかも本堂の裏側は物置小屋あり。乾かしている傘も。

コスモスデコレーションで美しく着飾るのもいいが、やはりお寺の根本は本堂。そこをキレイすればもっと参拝客が増えるのではないだろうかと老婆心ながら言いたいのである。

いいなと思ったら応援しよう!

ゆきんこ
応援ありがとうございます!いただいたサポートは次回のブータン旅行時、キッズ僧侶たちへ日本のあめちゃんを大量に購入する費用にいたします。