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kan__ma
想いを伝えるには
この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば
先日の光る君へで印象的だった藤原道長がよむシーン。
この世の栄華を誇ったものだと思っていたが、道長の昔ながらの友人たちは道長の人となりを照らしあわせ、娘のことをよんだのだろう、いやいややっぱり調子にのっちゃってるんだろう、いやいや、道長はそういうやつじゃない、違うことを思っていそう・・・なにか裏がありそう。
この句の話をしたいわけではない。このように歌や俳句、はたまたライターが発信する文章、SNSは本人の意図とは別の方向の解釈でとらえられ、あちこちに出回ることがある。
じゃあ、電話で話をすれば齟齬がないかといえばそうではない。メールだときつくとらえられるかもしれないから、電話で話をするとこれまた違う解釈をされることがある。
自分の思いをストレートに伝えるにはやはり会って話をするのが一番なのだ。
わだかまりができてもう会いたくないと疎遠になり、とはいえ、気になるからあれこれと思いをめぐらすものの、会わないことでますます疑心暗鬼になり、あの人のことは許せないとさらに自分の中で憎悪をつのらせ、もともとのわだかまりがなんだったのかわからず、ただただ怒りをぶつける。
しかし、気にかかる人であるから心のどこかにあり考えてしまう。
気になるのに会わない、いつか会おうと思っているうちに月日は流れ、その人は年をとり、最後のときをむかえる。
なくなってしまえば、見ることも話すこともできない。わだかまりは残ったままだ。静かに横たわるモノ言わぬ人に向かって泣きじゃくり、後悔してももう遅い。
いつかはない。思いを伝えたい人がいるなら今伝えるべき。時間は有限なのだから。
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