ホワイトマンキーうようよ
前回までのブータン旅行記はこちら。
ティンプーに向けていよいよ山登り。右に左にくねくねと華麗なハンドルさばきで山を登っていくタクシードライバー。
スピードは出ている感じはするが気持ち悪くならないところをみるとかなりのドライビングテクニックとみた。
野良犬やら羊やらが道端を歩いている。殺生ができない経験なチベット仏教徒が多いブータンだからこそ動物たちものびのびと、堂々と道を歩いているのだろう。さすが幸せの国。
とほんわか気分に浸っていると突然急ブレーキ。
ど、どうした?と前を見ると、サルが道路を渡ろうとしていた。
こちらをちらりと見はしたが、特段驚く風でもなく道を渡り華麗なステップで山を登って行った。
野良犬や羊は撮らなかったが、サルを追っかけ撮影しているのをみてニヤリとするドライバー。
「次の休憩スポットでゴールデンマンキーが見れるぞ」
マンキー?マンキー・・・モンキーか!サルか!発音がいいんだか悪いんだかで理解するのに苦労した。
いやまて、サルの前にゴールデン、黄金のサル?!すごいじゃないか!
「黄金のサルって希少なんじゃないの?動物園があるわけでもあるまいし見られないでしょ」
「絶対にみれる!おれはいつもみている。まかせておけ。ちなみにゴールデンマンキーだけどホワイトマンキーともいう」
なんだよそれ。金色と白じゃ全然違うじゃないか!と怪訝な目で見つめると
「天気がよければゴールデン、わるければホワイトだな」
ということは、ホワイトマンキーってことじゃないか。ややこしい。ともあれ、白よりはゴールドがみたい。このまま天気がよければいいなと思っていたのだが、気持ちとは裏腹に霧が立ち込めてきた。
一寸先は闇じゃないが、一寸先は霧。これじゃホワイトマンキーも隠れちゃうかもしれない。そもそもそんな希少なマンキーが見られるとは思っていないのだが、野生動物にエサをやるな看板には恐ろしい形相のマンキー。
ホワイトマンキーって顔が怖いのか。
トイレ休憩で止まったものの標高が高くなってきて寒いからか、はたまためんどくさいのか誰も降りない。わたしはといえばトイレは大丈夫だが、絶対に見られるというホワイトマンキーが気になる。
その前に気になったのがものすごく姿勢がいい王者のような野良犬。
立ち方といい毛並みといい、鋭い視線といい、かっこよすぎる。お前は本当に野良犬なのか?とかなり近寄り、写真まで撮っているのに微動だにしない。イケメンをもう少し拝ませてくれと近寄ってもまったく動かない。
こいつは大物だ!
「おい、犬はいいからゴールデンマンキーみにいくぞ」
ドライバーがすたすたと歩いていく。
ほらいたぞ!
どこだよ。いないよ。見えないよ、お前の目は鳥目か?
「ほら、枝の先っぽのところに白い長いしっぽがみえるだろ、ほれ、あそこ、あそこ」
と指さされてもわからない。どこだよ。目をこらしてよ~く見てもわからない。
仕方ないな~という感じで小石を1つ手に取り、あろうことかぽ~んと石を投げた。すると・・・
飛んだ!飛んだ!しかも、小石を持った瞬間、カメラを構えたわたしエライ!
激写成功!ほんとにホワイトマンキーだった。ほんとに見れちゃった。と感激していると
「お!もう一匹」
といったかと思うと、ぽ~んとまた石を投げた。
すると
わ~お!ぴょ~んとはねるではないか。
何匹いるんだよホワイトマンキー。
それにしても殺生はNGだけれども、石を投げるのはいいのか?と思いたくなるも、石を投げてもらわなければホワイトマンキーに会えなかったのでよしとする。
ちなみに、いないいないと言いながらシャッターを切った最初の写真。どこにホワイトマンキーがいたかおわかりいただけただろうか。わたしは帰国後写真の整理をしていてようやっとみつけた。
興奮冷めやらず、タクシーに戻ってから乗客のひとりのおじさんにホワイトマンキーみたぜ!と写真を見せながらマウントをとってみた
「これはホワイトマンキーという名のゴールデン・ラングールだ。ブータン南部に住むラングールの仲間で、黒い顔と真っ白い毛、なが~いしっぽが特徴なんだ。まあこのあたりではよく見るな」
ということで、マウントにもなんにもなっていなかったのである。ちなみに黒い顔ってどんなん?と見つけたのがこちら
う~ん・・・かわいく・・・ない。もともとサルってみんなおじいちゃんおばあちゃんに見えるからかわいい云々の前に年取っている感じしかしない。
ブータンの南部ではよくみかけるかもしれないが、日本では見かけないので、noteでマウントをとっておくことにする。