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タコのガリシア風ってなんなの?
北海道はウニ。
岩手は冷麺。
三重は松坂牛。
広島は広島風お好み焼き
佐賀は呼子のいか
沖縄は沖縄そば。
ちなみにわが地元秋田であればぎばさ。
と自分の好きなものを並べたが、旅の醍醐味はご当地ならではの新鮮な食材を使ったグルメを堪能することで、それを食べるためにいくときもある。旅とグルメは切っても切れないものなのだ。その場所に再訪したいと思うポイントは、もう一度あれが食べたい!もあるが、もう一度あの人たちに会いたい!だ。いわば人に会いたくていく。最近よく見るフレーズ”死ぬまでにみたい絶景”は、死ぬまでに一度見たら満足するので一度でいい。よって、グルメと人はとてつもなく重要なのだ。
ゆるゆると更新しているブータン旅行記ではグルメに苦戦しつつも、会いたい人達がたくさんいるからまた行きたいし、会いたい人達が連れていきたいと言ってくれている場所がまだまだあるらしいからまた絶対に行く。
と話を戻して、その土地に行ったらこれを食べるというマイフェバリットがある。とすると、世界各国料理が食べられるといわれる東京に行ったら何を食べるか?東京といえば、もんじゃ焼きを思い出すが、実はさほど好きではない。嫌いではないが、東京に行ったら毎度食べたい!とは思わない。
じゃあ、何が食べたいか。
東京にいったらスペイン料理が食べたくなる。日本の料理でもないし、スペイン料理はどこでも食べられそうなのだが、東京の五反田にあるジローナのスペイン料理に出会ってから、あの味が忘れられず、いつも行きたくなるのだ。
平日の月曜日でも予約をしないとなかなか入れない店で、ふら~っときままに行けないのが残念だが、そもそも東京に月一くらいでしかいけないので、アヒージョの禁断症状が出始めたときにはいつもいく昔からのメンバーに連絡をして、これる人数を把握したあと予約。
なんとか4名分の席を確保して、3か月ぶりのジローナへ。
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この素朴な感じがまたいい。人が1人入れるくらいに小さいドアから入ると、これまたスペインの片田舎で営業してます風のこじんまりとした店内、そして本日のおススメが黒板に手書きで書かれている。
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季節の野菜や魚介類を使ったサラダ、前菜が書かれているが、一目散に注文するのがアヒージョ。
今日は海老、タコ、ポルチーニ茸の3種類。海老はプリプリ、タコは柔らかくほくほく、ポルチーニ茸はとろけるおいしさ。ガーリックががっつり入っていて次の日の口臭が大変なことになるだろうなと思うが、そんなもの気にしていたら食べられない。ハフハフ言いながらがっつり食べる。おいしいエキスがしみだしたオリーブオイルをフランスパンにたっぷり漬け込んで残さずペロリ。
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今日も安定のおいしさ。アヒージョはたっぷりのオリーブオイルに鷹の爪とニンニクとその他好きな素材をぐつぐつ煮込めばできると思い、家で試しに作ってみたが、このジローナの味に絶対にならない。
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〆用にパエリアももちろん注文。生ハムやらチーズも頼んだが、ワインのお供にもうちょっと何か食べたい。
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何にしようかな~と手書きボードを眺めていて目に留まったのが「タコのガリシア風」。ガリシア地方はいったことがないが、地図で見て知っている。ガリシア風ってことは、ガリシア地方でよく食べられているタコの料理という意味だが、ガリシア独特の作り方があるということか。
広島風お好み焼きが、普通のお好み焼きと違って、うすく引いた小麦粉の上にキャベツと焼きそばをのせ、玉子焼きでサンドする広島地方独特の食べ方のように、ガリシアだけの特別なタコの食べ方があるのか。
「あのう、タコのガリシア風ってなんですか?」
注文する前に聞いてみた。
「タコとブロッコリーをアイオリソースであえたサラダのようなものですよ。タコとジャガイモが定番なんですけど、今日はブロッコリーにしてみました」
ジャガイモでもブロッコリーでもこの際どうでもいい。大好物のアイオリソースがかかっているならうまいに決まっている。見た目はマヨネーズに似ているが、にんにくのパンチが効いて、さほどおいしくない料理もアイオリソースがかければなんでもうまくなる魔法のソースだ。
ガリシア風の意味がわからなかったがとりあえず注文。目の前に現れたタコのガリシア風は、なるほど、たっぷりのアイオリソースの上に赤いパプリカパウダーがたっぷりとかけられスペインっぽい。これがガリシア風ってことだろうか。
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さっそく食べてみると、アイオリソースよりタコがおいしい。アイオリソースもうまいのだが、ぷりっぷりのタコが甘くておいしい。なんだったらアイオリソースいらないんじゃないかというほどタコがうまい。このタコならホクホクゆでたてのじゃがいもと絶妙にマッチするはず。今回はブロッコリーでそれはそれでおいしかったが、タコのほくほく具合からいってジャガイモのほうがよさげだ。そして、シンプルにオリーブオイルをかけただけのほうが素材のうまみが感じられてうまいのではないかと思った。
ガリシア風、おそるべし。今まで食べなかったのを後悔するほどとろけるうまさだった。
アヒージョ、パエリアの定番にタコのガリシア風加わりました。
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