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おしゃれさんじゃないのに「おしゃれ!」と言われるようになった理由

正直言って、おしゃれじゃない。雑誌をみてもどれが自分に似合うかよくわからない。だから洋服やがたくさん入っている百貨店を無駄にうろうろして、物色し、これは!と自分なりに「おしゃれ!」と思ったものを買う。

買うときに「だっさいな~」と思って買う人はいないが、家に帰って再度着てみると「あれ?なんかだっさいな~」となり、結果、一度も着なかった服がわんさかあるなんていう経験はわたしだけではないはず。

そんなおしゃれさんとは程遠い人生を歩んできたのだが、最近、
「その服、おしゃれ!」
「どこで買ったの?」
「なんかシュッとみえてかっこいい!」

とやたらめったらと褒められるようになったのだ。


セールに踊らされる

noteをよく読んでいただいている人(←ほぼいないと思うけど)には周知の事実であるが、こと自分に関してはケチであり、かつ貧乏性である。

いつもチープな店ばかりいき、なんとなく洋服を買い求めていた。ちょっとお高いものがほしいときはセール狙い。しかし、特に好きなブランドがないため、これまたうろうろして、なんとなく見て、「これはお得かも!」と何を基準にそう思っているのかわからないが、セールというだけでお得な買い物をしている気分になるのだ。完全に百貨店側の策略にはまっている。

わたしがおしゃれと思っている朋美(仮名)はいつもセールで買っているという。なぜ、セールでそんなにおしゃれな服が見つかるのか。

「セールって大体日にちわかるし、会員になっていたら前日に会員限定セールとかあるのよね。でもその前にお店にいって試着して、ロックオンしておく。相当ほしい!と思ったら、セール前に買っちゃうけど、その一歩手前のものはセールまで我慢して、セール初日にいく。初日なら大体ゲットできるよ」

この情報はなんの役にも立たなかった。人混み嫌い、わざわざ洋服買うのに2回もいきたくない、いろんな会員になってカードが増えたくない・・・

結果、セールに踊らされ、20%OFF、30%OFFの文字にわくわくし、いらないのに「2着でさらにお得!」でウキウキし、お店側の戦略にまんまとはまり、買ってしまうのである。

安かったからとなんとなくノリで買ってしまった洋服は、思い入れもなく、買ったことすら忘れる。しかも、コーディネートを考えないで買うと、その一枚ものはかわいいが、どう合わせたらいいかわからない。

そして、タンスの肥やしになるのである。

努力しても美魔女になれない悲しい体形

奇跡のバディー!
30代、いや20代にしか見えない!

と、もてはやされ、美しさに磨きがかかっている女性たちを美魔女などといわれる40~50代女性。

正直、うらやましいし、本当に尊敬する。

実際、若い時はちょっと食事制限すれば体重も体形も元に戻ったのに、今じゃ、体重は落ちても体形は元に戻らない。
美は一日にしてならずとはよく言ったもので、この年齢になると日々の努力がなければ美魔女なんかにはなれないのだ。美魔女の皆さん、ご苦労さまです。

美魔女になろうとは思わないし、そもそも美魔女になれるほどのフェイスでもないし、昔から弟に
「ラスカル見ると姉ちゃん思い出す」
といわれるほど手足が短いという、努力しても整形してもなんともならない体形の持ち主であるがゆえ完全に美魔女への道は途絶えた。

ザ・昭和の日本人体形は、太ると途端におばちゃん化まっしぐらなのである。

高い服を買わなくても、メリハリバデーを手に入れれば、ユニクロもGUもおしゃれに着こなせる!

なんて記事を読んでも、まったく刺さらない。
なぜなら、みんな手足が長くて、背が高くてスタイルがいい人ばかりだから。

「チビって損よね」
「美魔女は無理でもせめてこぎれいなおばちゃんになりたいよね」

という会話を158cmの私と156cmの友人 典子(仮名)とで語らう。

この典子もわたしがおしゃれ!と思っている友人の1人。

チビは何きてもチビ!と笑いあっていたが、ふと、典子のコーディネートをみると白いトレーナーにベージュのワイドパンツという、ユニクロにもありそうなシンプルな装いなのに、なぜかものすごくスタイリッシュにみえる。なぜだ、チビなのに!

どっちかは無印、ユニクロ、GUでいい

日々の生活に疲れている。
ダンナに見向きもされなくなった。
そんな疲れていたときに友人と久しぶりにお茶したらものすごくキレイになっていた。なぜなの?その秘訣は何?

よくみるYouTubeの宣伝動画を思い出してしまった。

「今日もおしゃれというか、キレイにきまってんね~。物の違いがわからない私でもユニクロとか無印じゃないってわかる」
「実はこのトレーナーまあまあ高いんだよね」
「トレーナーなのに1万円とか?」
「いったらドン引きされそうだから値段は秘密」

気になるじゃないか!と思うも言いたくないのに無理やり聞くのは失礼だ。

「あんたって昔から服のチョイスがうまいというか自分にあったの着てたよね」
「あら、そう?ありがとう。おしゃれって言われるとやっぱりうれしいよね。昔は、あっちこっちと洋服パトロールして歩いていたけど、最近は同じ店しかいかないの。店というかその人がいるから行くって感じ」

服じゃなくて、人?!ますますわからない。

ちなみに本日のコーディネートもその方のおススメだそう。
この日のコーディネートはトレーナーもワイドパンツもそのお店で買ったものだが、基本は上か下どっちかがそのお店の洋服で、あとはユニクロ、GU、無印といったところで買っているのだそう。

「上か下かどっちかだけ、かっちりしたものを着れば決まるって言われたの」

なるほど。しかも、トレーナーといえどもやはり高いなりの理由があり、シルエットがばっちり決まるのだという。

トレーナーで1万円でも高いと思って言ったのだが、その値段をいっても「高いからドン引きすると思う」
と言うトレーナーの値段が知りたい。そして自分が着たらどうなるか知りたい。そして、その絶対的な信頼をおいているそのお方に会いたい。

そういえば、ちょっとおしゃれレストランに食事にいく予定がある。年々、洋服パトロールもめんどくさくて、楽天ファッションパトロールをして買ってばかり。しかも値段で選んでいるから当たり外れがはげしい。若い時は若いというだけで、安い洋服をいとも簡単に着こなしていたが、手足が短いおばちゃんは着こなせなくなっている。ならば・・・

「わたしも行ってみたい!その人にコーディネートしてもらいたい!」

プロの服の選び方

場所は丸の内。丸の内OLなんて言葉がある丸の内。クリスマスになると、キラキラ輝くネオンがまぶしい丸の内。そんな丸の内にあるお店に連れていかれた。

こ、これは高いに決まっている。ユニクロもGUも無印も当然ない。窓ガラスの向こうには所せましと並ばない洋服たちに、数人のお客様。量より質なのだ。

場所を聞いたときからまずい!とは思っていた。ただ、丸の内にはじない恰好をしていこうと自分の中での一張羅を着ていった。

予約というか行くことを伝えていたらしく、典子が絶対的信頼を置くももてぃ(本名)がやってきた。

さすが丸の内。細身で長身、小顔で色白、カツラですか?と見間違うばかりの真っ黒いつやつやな髪。白いロングTシャツに小さめのベストをあわせ、足袋のようなつま先のブーツを履いている。

おしゃれというよりモデルだ。ま、間違ったところに来てしまった!!!

「話していたわたしの友人」

モデルのようなももてぃに緊張し、「こ、こんにちは」とうわずった声であいさつ。

「こんにちは。今日はなにか似合うスタイルを提案してもらいたくて来ました」
「どういったものが好みとかありますか?」

店内をきょろきょろ。ここまできたら値段をみちゃいかん。友人のシンプルなのにスタイリッシュが気に入ってここに来たのだからとシンプルなセーターを手にする。

するとふむふむといった感じで、セーターを手に取り、わたしをちらと見ながら、こんな感じはどうですか?と早速提案してくれた。

それは白のセーターとベージュのパンツ。一見、ユニクロ系で特段おしゃれに見えない・・・なんてことは言えず、ひとまず試着してみることにした。

単なる白のセーターと思っていたが、袖の部分の搾りが長めに取られていて肩のあたりはほんの少しゆとりがある。腰のあたりの縫い方も絶妙でほどよくフィットしている。何より、パンツがすごい。履き心地もさることながらシルエットがものすごくキレイなのだ。

試着室から出てきたわたしを見た典子は、愛する新婦のウェディングドレス姿を始めてみた新郎のような顔をしていた。

「え~すごいいい!あんたってこんなにスタイルよかったっけ。いや、ももてぃがすごいんだろうな。いい、いい、すんごいいい」

確かに、自分がみてもびっくりするくらいおしゃれさんに見える。かつ手足短い体形を完全にカバーしている。

「か、買います!」

あまりに褒められて調子にのってしまい、つい言ってしまったが値段をみていない。

試着室に戻り値段を確認。
セーター:30000円
パンツ:35000円
合計65000円(消費税込み)

3万円のコートを買うのにも悩むのに3万円もするセーターを即買いする勇気があったことに驚くばかり。女に二言はない。もう後には引けない。

でもそれほどまでにおしゃれというかスタイルよく見えたのだ。

丁寧に大切に着る

清水の舞台から一気に飛び込んで買ったセーターとパンツ。あまりにも高かったので、最初は着るのにものすごい勇気がいった。

なんといっても汚れが目立つ白だ。首回り手首はとくに汚れる。毎回おしゃれ着洗いをしなければいけない手間を考えるとなかなか着れないのだ。

パンツもしかり。雨の日に着たら汚れちゃうんじゃないかとびくびくして着られない。典子に別件でラインしたときに聞いてみた。

「基本はエマール使って洗濯機で洗ってるけど。パンツはブラシで汚れ取ればいいし、セーターは、首回り、手首のところだけエマールでちょちょっと洗って陰干ししているよ」

確かに毎回洗う必要はない。冬ものだし。となると、なんとなく着るハードルが下がり、徐々に着て出かけるようになった。

すると行く先々で褒められる。

「今日、おしゃれ!」
「しゅっとしているね!」
「どこで買ったの?」

おしゃれと言われて悪い気はしない。

毎日のコーディネートが楽になる

まだまだ副産物があった。

なんとなく安いからといって買った服は買ったことを忘れるが、清水の舞台から一気に飛び込んで買った服は忘れるわけがない。しかも、あまりにも高いので、洋服を買う機会がぐっと減り、逆に節約になっている。さらにクローゼットもすっきりしてきた。

同じ店で同じショップ店員さんで買うメリットはまだある。前に買った服や着ていった服を覚えていてくれるのだ

「このスカートにはこないだ着ていたブラウスともあいますよ」

といわれるとそう?と思いつつ、家でファッションショーをするとぴたりとはまるのだ。

しかも、このすすめられたスカート。基本は黒なのだが薄くストライプの柄が入っている。ベーシック好みのわたしからしたら余計なストライプの柄入りのロングスカートは絶対に買わないが、これがももてぃおススメとなると、なんか似合う気がしてほいほい買っちゃうのだ。

そして、好みじゃなかったストライプ柄入りのロングスカートも、会う人会う人に褒められて、しかも「やせた?」とまで言われる。

買ったお店の洋服を覚えていてくれるのはわかるが、自前の服まで覚えているとは恐るべし。

最近では昔買ったけど、なかなか着ていないお気に入りの服をわざわざ着て行って、その服にあう服はないか?などと聞いている。

ももてぃの店で買った服はひとつもはずれがないどころか、いくたびに似合わせコーデをしてくれるので、毎日の洋服コーディネートに悩むことがなくなった。ももてぃの店で買った服をあわせれば、とにかくおしゃれになるのだ。

おしゃれじゃないけど、おしゃれと言われたいと常日頃思い、ファッション雑誌をにらめっこしているのであれば、憧れのショップに足を踏み入れコーディネートしてもらってほしい。

そんな店ないよ!わたし、僕にも、ももてぃ教えて!という方はコメントください(笑)

似合わせコーデは百貨店の外商を使える金持ちさんだけの特権かと思っていたが、こんな身近なところにと目からうろこ体験だった。

ちなみにももてぃの店は「いらっしゃ~いませ~。今日は何をおさがしですかぁ?」とうわずった声で目をぱちくりするような店員さんはおりませぬ。

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ゆきんこ
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