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私がなぜXジェンダー(ノンバイナリー)を名乗っているか(防御策として)

私の方、一応、Xジェンダー(ノンバイナリー)を名乗っていますが、自然な感じで選択した性自認というわけではなく、敢えてそう名乗る、思い込むことで、一定の防御策を取っているのが事実だったりします。

本当は、こんな防御策を取らなくても生きられるのなら、それに越したことは無いとは思うのですが、現状、そして現在の社会では仕方が無いのです。

本当(!)のXジェンダーの人には失礼かもだけど

本当に性自認としてXジェンダーを持っている人には失礼な話なのかも知れませんが、ある意味、Xジェンダーという用語や立場を利用させて頂いているのが現状だったりします。

ジェンダーについて悩み、Xジェンダー(ノンバイナリー、アジェンダー)にたどり着いた人には失礼かも知れませんが、その概念を利用させて頂いて、私自身の心の平穏を何とか保ち、防御策として利用させて頂いているのが現状だったりします。

なぜ防御策を取る必要があるのか

これには、複数の理由があります。
その前に、私のことについて説明しておく必要があるかなと思いますので、説明しておきますね。
あ、私のnoteをよくご覧頂いている読者の方は、飛ばして頂いても大丈夫な項目です。

私の基本的なお話し(DSDs:性分化疾患)

私の方、戸籍は男性で、出生時に割り当てられた性別も男性ですが、DSDs(性分化疾患、言い方を変えるとインターセックス)の関係で(厳密にはDSDsは30〜60疾患をまとめた概念で、私が診断を受けているのはそのうちの「視床下部性性腺機能低下症」(ゴナドトロピン分泌不全)となります)、男性ホルモンを自分で作ることが出来ず、二次性徴も自然に来ませんでした(というか、一次性徴も失敗してる、少し)。また、副腎不全もあるため、女性でも男性でも副腎から多少の男性ホルモンが出ているのですが、それすらほとんど出ていません。
逆に、脂肪や肝臓からは、女性ホルモンが作られているため、何もしないと、人間の基本形は女性であることもあって、「緩やかに女性化する」現象を起こします。
来なかった二次性徴を無理矢理来させるため、そして、「緩やかに女性化」を食い止めるため、「男性化治療」(と電子カルテにも書かれている)として、男性ホルモン補充療法や、性腺刺激ホルモン補充療法を15年以上続けてきましたが、どうしても身体にあわなくて、嘔吐したり頭痛を起こしたり寝込んだり、挙げ句いろんな病気を連れてきてしまったので、
2022年1月をもって中止しました。
すると、「緩やかに女性化しつつある」(泌尿器科、総合診療科医の評価)という状況になりまして、女性化乳房症や体毛の柔和化、その他の症状が起きるようになりました。

この状況を受け入れるために

「男性化治療」と言われてみたり、無理矢理男性としての二次性徴を薬を使って来させてみたり、で、男性ホルモン補充療法が辛いからとやめたら、「緩やかに女性化」を起こしてみたり、女性化乳房や、乳汁分泌(視床下部機能障害なので、高プロラクチンで乳汁分泌起こすときがある)したり、挙げ句の果てには、定期的な出血を起こして、「異所性子宮内膜症の疑い」ということになって、婦人科受診(最終的には婦人科・総合診療部チーム医療になるみたいですが)になったり。
泌尿器科に男性ホルモンの件で通っていたかと思えば、婦人科に通うことになったり、両極端な状態でして。
また、婦人科の初回受診の時に、自分のジェンダーについてどう思うか聞かれて、とりあえず「考えないようにしています。どちらでも無いようなふわふわしたところにいます」と答えてみたりしたりして。

防御策としてのXジェンダー

そう、身体の性に翻弄されていて、身体自身から来る性のイメージも、ホルモンバランスの影響なのか、ホルモンの変化による見た目の変化から来るものなのかはわかりませんが、大きく変わることがあるんですよね。

告知を受けたときは大荒れに荒れた

DSDs(性分化疾患)に該当する病名の告知を受けたときは、大荒れに荒れましたね。まず、妊孕性(子どもを産んだり産ませたりする能力)がないことがすごくショックで、子ども好きだったのに、諦めざるを得ないこと、「末代まで呪ってやる」の「末代」が決定してしまったこと、そして、自分自身が何かわからなくなりました。
そして、その上で防御策として、「どちらでもない感じ」(当時Xジェンダーという言葉は存在しなかった)という微妙なジェンダー感を無理矢理作り、そしてそこに落ち着いた、という経緯があります。

他にもいろんな人から言われること、されることから自分を守るために

一応、男性のつもりで生きてきたけど、男性としての能力は無く、そもそも男性としての二次性徴(一次性徴も一部ダメ)もなく、それを「男性化治療」と銘打って治療しないと行けないという状況や医師からの言葉、そして、辛い男性ホルモン補充療法や、性腺刺激ホルモン補充療法(よく15年以上も耐えたなと思います。もっとも、前の職場の産業医から、補充を続けることが職務復帰の条件だったので、仕方なくの部分もありますが。)に耐えるため、必死で注射(補充療法は注射です)に耐えるため、そして辞めたら辞めたで起き出した「女性化しつつある」状況、そして女性化乳房や、乳汁分泌、体毛や体形の変化(お尻とか相当大きく)、挙げ句、月に1回、4日ほど出血するようになり、「異所性子宮内膜症の疑い」として婦人科受診指示(婦人科・総合診療部チーム医療)と、

普通に考えたらこんな状況、何かで心を防御しないと壊れる

そう、普通に考えたら、こんな状況、きちんとした性自認(男性・女性)持っていたら、壊れてしまいますよ、心が。なので、生き延びる術として、心を守る防御策として、「どちらでもない感じ」「性別について特に考えない」という、ある意味Xジェンダー(ノンバイナリー、アジェンダー)を、心の防御策として利用させて頂いているのが現状だったりします。

普通に、確固として、「男性」「女性」と思っていたら、身体の変化にも毎回違和感を覚えるだろうし、治療に対してもどう思うかあるだろうし、医師その他から言われる言葉にも違和感を感じるだろうし、心を守るために、「Xジェンダー(ノンバイナリー、アジェンダー)」を使わせて頂いている、のが現状です。

本当はこんなことしなくても言いようになれば良いのにね

本当はこんなことしなくても、心の防御策なんかで無理矢理「Xジェンダー(ノンバイナリー、アジェンダー)」と性自認を決め込まなくても、生きられたら楽なのになと思いました。
特に、先日、婦人科の先生から「ジェンダーについてはどう思っている?」と聞かれ、余計に考えるようになりました。
私自身のジェンダーってなんなんでしょうね。考えずに楽に生きられる日が来ると良いな。






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