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【詩】あいあい・傘
あいあい傘を書かれた朝
知らない子の名前とならんだ
誰も傘の下を見ようとしてはいない
ふれると指先はしろく粉をまとった
幽霊になっても君を好きでいたい
そう思って火葬されてみたら
結局君は未練じゃなかった
知らない子とお葬式の帰り道
君はならんで歩いている
君はわたしを追って死ななかった
君と知らない子の懸命をふらふら見つめている
知らない子がいつから君の傘の下にいたのか
わたしにはわからなかったし
そもそもわたしが君を好きだったのかどうか
死んでもわからなかったし
あの日のあいあい傘に
わたしとならんだのは
知らない子だったし
だれがだれを好きかどうかなんて
ほんとうはだれもがどうでもよくて
ただ降りしきるつめたさから守られたくて
知らない子に好きといえる
知らない子と愛をはぐくめる
知らない子と家族になれる
焼けていくわたしの煙から
肉体の愛はこぼれてしまう
灰色の雨の下に誰もいませんように
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