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【詩】バレンタイン


きれいは定義であって数列だった
そう気が付いてしまってから
光源は0 鏡は1
大衆は素数になった
きれいになっていくことは0を過ぎていくこと
見えないことと同じじゃないのとつぶやいて
チョコレートをかためるほど
代わりに溶けてゆくものがある
そういう事たちは見ないでカカオについて学ぶ
たくさんの努力は嘆きと歓喜が入り混じって
早く防音室で生演奏を聴いていたいし
そういう時間を増やすということが
幸福というものの一部になるって日記に書いた
幸福の二部がチョコレートであればいい人間は
わたしのこと。結局だれのためでもなかったし
わたしのためでもなかった。そういうことは。
みんな最期は見えなくなる
じゃあどうして光ろうとするのか
蛍ほどの切実さを必要としている科学は
無機質であると言われているのに
チョコレートの美味しさについては科学は
有機質であると言っている言葉そのものは
0みたいになっていくね。
わたしは消えていきたいけれど
そう思うことは抜け駆けらしいから
このせかいでは嫌われたくないよ。
だれかのために。わたしのために。



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