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【詩】お菓子の国
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乳白色の窓から日差し
ここは真冬の中間地点
やがて春がおとずれる
「知らない時代を知ったように語りたくない」
「見えない時代をわかったように語りたくない」
結局、なにも言わないまま、
わたしは、季節のタルトを
行儀悪く食べている とても
とても行儀が悪い 食べかた は
食べものに失礼なのかもしれない
わからない 知らない だから 手は汚れる
結局、なにも言わないまま
知ったかのように、わかったかのように
今日と昨日が重なり合っていくだけであり
罵声みたいな一週間を積み上げていっている
悟ったふりをして、諦めたふりをして、なにも、
なにも、言わない なにも言わないだけで、
えらくなった気分になる 甘いものを食べる
なにも言わないカロリーの分 甘いものを食べる
食べるだけ なにも言わない まるで賢いみたいに
なにも無いだけ なにもないのをなにかあるように
飾りつけるために なにも言わない
沈黙はよく光るから いちばんに光りたいから
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