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【詩】二酸化炭素
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詩集のあたまからつまさきまで撫でても
言葉はわたしにはりつくばかりで
飲みこむことはできないから
わたしの細胞は永遠にわたしの細胞であって
それからもたくさん猫よりも撫でて暮らして
随分とながく生きてきた
あたらしいもののためには破壊がひつよう
わたしの細胞は破壊しながら数を変えない
器用にからだのほうは生き抜いていて
そういう真実が言葉をにごらせている
気がしている 考え過ぎてからコーラを飲む
レモンが欲しい 後悔をひかえながら
齧りつきたい 泣くこともバカバカしいのに
ぞくぞくする 高いところに立つと
少しだけ笑いたくなる これからの破壊は
なににも繋がらないことを知っている 言葉が、
言葉が、拒絶をはじめるのなら からだは馴染まない
高架線にヒール 電話にカシスソーダ
そういうふうに 生きていたい 遊びたい
期待を空気として 仮定して つきあいたい
雨はすべて炭酸になればいい
足音はすべて弾けたらいい
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