生まれる詩、田村隆一


田村隆一のどの詩篇にも、わかるようで全く分からないような、硬いようでなにやら不定形な、自然界にあって異物のような、あるいは最先端の遺跡物のような、そんな感じがいつもあって、それぞれの作品がそれぞれそれらのものを残していく。

それがまた、障壁とはならず、高い敷居にもならず、遠心力とも求心力ともちがったものが、何か未知のものが確かにあるように感じる。

書いた詩ではなく生まれた詩とは、たとえば田村の作品のことではないだろうか。


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