認知的不協和
とある美容師さんのお話です。
都内で数店舗を経営する美容師の友達と話をしていると「お客様の悩みを聞き出す黄金則がある」とのこと。
なんとその手法とは《褒める事》なのだそうです。
美容師さん:「○○さんは、髪が素直でツヤもあっていいですよね~」
するとほとんどの方は聞いてもいないのに
お客様:「えーでも私夕方になるとぺったり頭になって全然ボリュームがなくなるんです」
と自分の悩みを言って来るのだそうです。
さらにこの美容師さん、たまーに「ありがとうございます!」って素直に受け取る人がいた場合の対処法も教えてくれました。
そんな時は《自分の悩みを言う》そうです。
美容師さん:「私の髪はクセ毛で、それがすごいコンプレックスなんですよね~」
お客様:「全然そんな事ないと思うけど…私なんてネコ毛ですごい嫌〜」
と自らの悩みを言ってくれるのだとか。
実はこれ、心理学の《認知的不協和》を活用したヒアリング手法なんです。
人は、自己の認識している自分と他者の評価に相違がある場合に不快感を覚えます。
そして、人は常に「心のバランス」を取ろうとします。
例えば、バイク事故で複雑骨折をしてバイクは廃車になったのに「命が助かってよかった…」と考えたりしますよね。
これは、心のバランスを保つために行われているのです。
つまり前述の美容師さんとの会話において、お客様は褒められた時に自分の認識よりよく見られたために、悩みを口にする事で心のバランスを保とうとしたというわけですね。
この美容師さんは経験と直感から悩みを聞き出す術を体得し、その悩みを解決する提案をする事でお客様との信頼のかけ橋をかけていたのです。
人間関係を構築する上で「悩みを聞き出す」ってすごく大事です。
今日は心のかけ橋をかけるのに、悩みを聞き出す方法についてのお話でした。