エンタープライズ営業に関して

どうも、初めまして。

今回は、エンタープライズ営業について私見を述べてみようと思います。
私はSaaSと呼ばれるようなクラウド型のソフトウェアの企業に所属した後に、SIerに近いような企業にも所属したことがあります。

その中で、モヤモヤしていたことがありまして、筆を執りました。

問い:エンタープライズ営業ってそんなに難しいか??

この問いを抱いている人は意外と多いのではないでしょうか?

一般的に、EP営業はSMB営業と比較し以下のような特徴があるといわれています。(他にもありますが、それは他の方沢山発信しているのであくまで一部に留めます。)

  • リードが少ないのでアプローチできる企業が少ない。

  • 単価が高いのでリードタイムが長期化しやすい。

  • ステークホルダーが多いため、相関関係を描写して提案する必要がある。

総じて、SMB営業は行動量とCVRレートの世界だが、EP営業はアカウントマネジメントによる高度な次元であるという論が展開されていると感じています。そして、それはおおむね正しいというように私も感じています。

ただ、、今のIT業界において、SMB営業はエンタープライズ営業の下位概念であるかのように振舞う営業パーソンが増えてしまっているのではないか?と感じるシーンがたびたびあり、それを残念に感じています。

私の経験上、何かで突出した成果を上げることのできる人間は、近い職能であれば再現性を持って成果を出せると考えています。これは職能が近ければ業務特性が変わっても当てはまると考えています。
(コミュニケーション能力が高い方は採用や広報に異動しても成果を出すケースなどがその例示であると考えています)

そして、私の経験上、SMB営業で成果を出していたメンバーはEP営業に異動しても成果を出す傾向にありました。反対にEP営業に配属されたものの成果を出せないメンバーはSMB営業に異動したとしても振るわないケースもありました。
確かに多少の差分はあるとしても、SMB営業とEP営業を全く違うものとして分断してしまうのは個別具体化の行き過ぎに繋がる可能性もあると考えています。

Q SMB営業はリードが豊富にあるか?
→EP営業に比べれば当然多いと思いますが、温度感の高い顧客のリードが安定してすべての営業担当に十分量に分配されるSaaS企業は皆無ではないでしょうか?

新しい市場を創造しているという事業特性や、高い成長率を目指す中での高い社内目標などの関係で、SMB営業はどうやったら目標に達するかを常に模索しているはずです。単にリードの有無だけで論じるのではなく、目標に対しての供給量の視点が必要であると考えています。

Q EP営業はステークホルダーのマネジメントが難しい
そうだと思います。頑張ってください笑 
ただし、ここに関しては、商材特性が大きく関係してくるというのが私の意見となります。
例えば、数億円を支出して社内イントラシステムを構築するケースや、金融系の基盤システムを納入するケースなどは、非常に大変だと思います。(SIerなどはその例にあたると思います)
SaaS企業だと、名刺管理サービスのように目先のソリューションが直接の課題解決にならない抽象度の高い商材もマネジメントが大変だと思います。
また、海外のITベンダーのように統合型ERPとして提案の幅が異常に広い企業などもかなり大変だと思います。Salesforce社などがその代表ではないでしょうか。
ただし、経費精算システムや労務管理のシステムなど商材によっては提案ルートがほぼ一律になっており、そこまで広範囲なマネジメントは発生しないというのが私の体感です。

例)経費精算システムの提案ルート
経理担当→経理部長→CFO
例)人事労務システムの提案ルート
労務担当→人事部長→CHRO

経費精算システムの導入にあたって、エンジニア組織や営業組織から待ったがかかるケースは滅多に聞いたことがありません。むしろそういったケースは組織体制が未熟な中小企業から発生する例が多いように感じます。
なので、相関関係を描く力が試される要素としては、企業規模ではなく商材による変数の方が大きいのではないかと考えています。
(ここでお伝えしたいのは、経費精算や人事労務のシステムを下げるつもりは全くないという点です。ただ、用途が明確されており複数部署を跨がないという特性で思いついた概念の例示だと捉えて頂きたい)

上記は一例ですが、上記のようにSMBとEPは営業手法が異なるという点に異論はないものの、個別の企業における営業活動においての難易度という観点でとらえると一概には上下関係は言えないだろうというのが私の私見です。
一方で、あまりにも短絡的にEP営業>>>SMB営業というように定義されてしまっていないか?ということを感じる今日この頃です。

結局、どの領域を担当しているかじゃなく、達成のためにどこに注目して、どんな行動をして、周りを巻き込めるか。汗をかいてきたか。営業の価値ってそんなもんじゃん?と気軽に言ってみたい今日この頃。



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