EQ実践レポート〜探究領域「活かすGive Yourself」①〜
「活かすGive Yourself」
「この状況において、自分が望む結果はいったい何なのだろうか」
相手の感情にも配慮しながら、同時に自分のビジョンや使命感を行動に反映させ、軸をぶらさずに行動につなげるプロセスが「活かす」にあたります。
活かす Give Yourselfでは、なぜwhyがキーワードとなります。
自分はなぜこれをこのようにやるのか、自分はなぜ新たな決断をするのか、を明確に把握ですることで、感情をエネルギーに変え、持続力や集中力を発揮することができるそうです。
この領域には2つのコンピテンシーがありますが、今日は1つ目のコンピテンシー「共感力の活用」です。
「共感力の活用」です。共感力の活用とは相手の感情を理解し、適切な対応をとれるということです。共感とは相手の感情や経験に対して偏った判断はせずに開いた心の状態を作る行為です。
共感は他者を理解し、持続的で信頼感のある関係を作る上でとても重要です。
このコンピテンシーは奥深いと思っています。
それは私の失敗体験があるからかもしれません。
その失敗体験からこのコンピテンシーを紐解いてみたいと思います。
友人の愚痴
友人は社会的な成功を非常に求めていた。
「こんなに頑張っているのに認めてもらえないし、給与のレベルもあっていない」
「でも、あなたよりは有名な企業にいるから社会的に認められている」
などと言葉の節々にネガティブなものを感じる言い方をされました。
誰かと比較した上で「幸せ」を感じるタイプだったと思います。
ただ、その友人のネガティブな感情を私は対処できず、何か言って倍返しされるのも面倒で、見て見ぬふりをしていました。
私はその時は予備校で主任講師をしており、やりがいを持っていました。
一方で、人によっては塾や予備校について「虚業」だという人もいましたし、理解しあえないこともあるよなと・・・。
しかし、私が病気をきっかけに人生の方向転換をして、
三大予備校の一つのグループ会社に入り、
エリアマネージャーとして成果を出すようになると悪化しました。
彼女にとって、私は「下」であるはずだったのだと思います。
彼女が好きな人と結婚した頃から、悪化しました。
彼女の会社の制度では子供ができると全国転勤ができないということでエリア限定社員に変更となります。
すると、マネージャーとしての社内認定も下がるらしく、給与も下がるようです。
子供は欲しい、でも会社での職位や給与は「社会的評価」だから下がりたくないというジレンマになっていたのかもしれません。
独身主義で教育現場にいた私からすると、子供が欲しくて子供のそばにいられる時間は限られているのだから、全国転勤を子供が小さいうちにできないのは事実なんだから、一時的にエリア限定になるのは仕方ない気もしていました。
私は、子供を優先すると、自分が選択したのであればそれでいいのではと思ったのです。
無意識のうちに、自分の経験や常識や判断基準と照らして、持論を展開したり、相手を諭そうとしてしまうことががあると思います。
この時の私はまさにそうだった気がします。
しかも、子供ができたとなったら彼女の愚痴は悪化しました。
「このままじゃ、私の今までの頑張りは無駄になる」という彼女に
「子供が欲しいのなら子供を優先したと考えるしかないんじゃない?結婚している女性なら誰でもそういう時はあるんじゃない?」と・・・。
しかも、自分の考えを話し始め、「だから、きっと何とかなるよ”と励ましたり、また、いきなり「子供のいない人と同じだけ働くのは難しいでしょ。仕方ないよ」などと宥めたりするかもしれません。
それらの反応に悪気はありません。
彼女のことは友人だし大切に思っていたからこそ、話を聞き、言葉を返していたのです。
しかし、彼女は全くスッキリせず、「悔しい」という気持ちが消えることはなかったようです。
最後に言われたセリフが「結婚もできず、子供もいないくせに何がわかるっていうの」でした。
流石に、それが3度も続くと私の感情もネガティブになります。
自分で結婚しないことを選択したのに、その自分の生き方を全否定された気持ちになったからです。
結果、私には力になれないと思うから距離を置きましょうと言ってしまいました。
子供が産まれ落ち着いたのか2度ほどメールが来ましたが、私はむしろその呑気なメールを送ってくることに苛立ち、着信拒否をしてしまいました。
自分の選択に責任を持てるのは自分だけ
コーチングを学び、コーチとして動くようになった今の私なら、
自分の考えを伝えるという愚かな選択肢はとらなかったなと今振り返ると思います。
傾聴をしっかりすれば、自分ができることは思考の整理につきあうことだったのだと気づけたと思います。
子供も仕事も給与も諦めたくないならば、どうすればいいのかを彼女が整理し行動を選択できるようにするしかないのです。
「あの時にこうしておけばという悔いが残らないようにするにはどうあればいいか」とあの時に問えれば、友人を一人失わなくても良かったかもしれません。
誰が正論を言おうと、自分が納得できる道は自分が選んだ道であるということを忘れずにいたいと思いました。
他人である私たちは最後まで責任を持てるわけではありません。
自分が上手くいった事(成功体験)が、誰にでも当てはまるとも限りません。
自分の考えや経験は置いておいて、
悩みを打ち明けてくれた本人が
「何をなやんでいるのか」
「どのようなことが不安なのか」
「本当はどうありたいのか」
を聞き出してあげることが、共感的理解の第一歩です。
そして、相手の心情が見えてきたら
「私に求められているものはなんだろうか」
「私ができることはなんだろうか」と考えてみると思います。
その時にすぎに助言したくなるかもしれませんが、そこはグッと抑えましょう。
あくまでも選択できるのは本人だけだということを忘れないようにしたいと思います。
共感力の活用
共感力の活用では、単に「共感する」ではなく「活用する」。
共感力の活用とは、相手に同情して何かを与えようとするものではありません。
今後は共感的理解をした後、アドバイスするのではなく、
打ち明けてくれた相手が「選択」できるように「思考を整理する」ことをお手伝いすることを徹底したいと思いました。
まとめ
先日、勉強を見ている小学校6年生の生徒の話です。
私の目の病気がわかった直後で、治療も開始していなかったため、
方眼ノートに彼女の過去問の出来を分析したものをいつものようにまとめようと思ったら方眼の線が波打って書くのが辛い状態でした。
それを見て、その生徒はためらいもなく言いました「先生、私が自分でまとめるよ」。
「ありがとう。大丈夫よ。」
そう答えて、私は目薬をさしながら何とか書き切ったのですが、
「さすがにこれは書けないかもと思ったから、先生ができて良かった」と本音がポロっと出ていました。
自信はないけれど自分ができることを考えて、共感力を活用し、彼女なりに私に寄り添うため発した言葉だったのでしょう。
心がポッとあたたかくなった一幕でした。
子供に教わってしまいました。
あとがき
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